ランド円ショートコメント(2020年4月20日)

先週のランドは、14日に南ア中銀が緊急会合を開き5.25%の政策金利を1.0%下げ4.25%としたことがランド売りの直接のきっかけとなりました。

ランド円ショートコメント(2020年4月20日)

ランド円ショートコメント

まず、先週の振り返りですが、いったん横方向へのもみあいを考えるものの戻りは「5.80レベルをサポートに、6.15レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が5.68レベル、高値が6.01レベルと、最安値(5.60)更新こそしなかったものの上値が重たい一週間となりました。

先週のランドは、14日に南ア中銀が緊急会合を開き5.25%の政策金利を1.0%下げ4.25%としたことがランド売りの直接のきっかけとなりました。中銀の声明では、新型コロナウイルスの感染者拡大による景気悪化への対応としていますが、今年の経済成長がマイナス6.1%となるとの見通しを示した上で、更なる追加緩和にも含みを持たせたことから、上値は重くいつ最安値を更新してもおかしくはない状況です。

ファンダメンタルとしては延長されたロックダウン(4月末)がどうなるかも含めて、好材料が見つかりませんし、テクニカルにも対円(5.60)でも対ドル(19.345)でも4月6日の最安値までそれほど距離はありません。最近は売りが目立っているために、エクスパンションを求めるにしても妥当な起点を探すことが困難な状況です。

今回はあまり使わない技法ですが、フィボナッチ・プロジェクション(フィボナッチリトレースメントで100%を超えて、127.2%、161.8%といった水準を考える)で、127.2%(161.8%の平方根)のプロジェクションを計算してみます。

いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。

ランド円ショートコメント

青いラインで示してありますが、史上最安値5.60から戻り高値6.09までの動きに対して、まずは100%押しの5.60がターゲット、そしてそれを超えた場合には127.2%押しが5.46となります。安値更新が無ければ先々週のレンジ(5.60〜6.09)内での動きとなる可能性が高いのですが、まだまだ先日の格付け引き下げによる影響が完全に織り込まれたとは考えられませんので、新値を試す可能性のほうが高いと言えるでしょう。

今週はプロジェクションのターゲットに近い5.50レベルをサポートに、大台には届かないと考え5.90レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

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