『南ア準備銀行による100bpのサプライズ利下げでランド売り再燃』
今週のレビュー(4/13−4/17)
今週の南アフリカランド円相場は、週初6.03円で寄り付いた後、早々に週間高値6.04円まで上昇しました。しかし、先週木曜日(4/9)に記録した高値6.09円をバックに伸び悩むと、@3/27のムーディーズによる南アフリカ国債格下げ(Baa3からBa1)の影響や、AOPECプラス緊急会合にて減産合意額(日量970万バレル)が当初予想に達さなかったことに伴う失望感(投資家心理の悪化→原油先物価格の急落)、B新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムード、C国際通貨基金(IMF)による世界経済見通し(WEO)の大幅下方修正(2020年の世界経済がマイナス3.0%に落ち込むとの見通しを発表)、D南アフリカ準備銀行(SARB)による緊急利下げ(5.25%→4.25%へのサプライズ利下げ)、E南アフリカ国内における都市封鎖(ロックダウン)が重石となり、週末にかけて、4/6以来となる安値5.68円まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、結局5.71円での越週となっております。
来週の見通し(4/20−4/24)
南アフリカランド円相場は、2/21に記録した高値7.48円をトップに反落に転じると、4/6には史上最安値となる5.60円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを表す三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも成立するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象づけるチャート形状が続いております(現在も安値圏での推移が続いており、史上最安値更新が射程圏内に)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(IMFやムーディーズは南アフリカ経済見通しを大幅下方修正。また新型コロナウィルスに端を発した中国経済の減速懸念も対中依存度の高い南アフリカに強い下押し圧力を加える恐れあり)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(度重なる計画停電→南アフリカ経済減速)、B米中対立再燃リスク(第2段階合意の後ずれリスク。新型コロナに絡んで米中対立リスクが再燃する恐れ)、Cムーディーズによる格下げを受けたWGBI(World Government bond Index=世界国債インデックス)から除外決定(南アフリカ債券市場からの資金流出リスク)、D中東を巡る地政学的リスク、E南アフリカ国内における感染者数の急増リスク、F南アフリカ国債利回りの上昇に伴う財政赤字拡大懸念など、不安材料は山積みです。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「続落リスク」が警戒されます。新型コロナウィルスの感染拡大や、ムーディーズによる格下げ決定を受けた南アフリカSELLの地合い(株安・通貨安・債券安のトリプル安)、同国経済への強烈な下押し圧力は当面の間続くと見られ、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします(来週は史上最安値更新を想定)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):5.40ー6.00
南アフリカランド円日足
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