ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、テクニカルな観点から「5.45レベルをサポートに、5.85レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が5.60レベル、高値が6.09レベルと、週初にわずかに安値を更新して以降は買い戻しが目立ち6円の大台を回復しての週末クローズとなりました。
先週のランドは、週初こそ安値を更新しましたが、その後は主要通貨で見られたドル売りの動きと同様にドルランドでもドル売りが先行しました。これは3月27日にムーディーズが格付けを引き下げジャンクとした後も思ったほどのランド売りに繋がらず、目先の悪材料出尽くしということからランドの買い戻しが入ったと考えられます。
世界的にもコロナウイルスの感染拡大は収まってはいないものの、金融市場の危機がいったんは去っている状況となっていることも新興国市場に対する懸念を和らげることとなったと言えるでしょう。しかし、格付けが引き下げられ南アフリカからは資金が継続して流出することも事実ですから、これで反転したというよりは一時的に買い戻しが優勢になってきたという見方のほうが間違いないと思います。
他には9日にラマポーザ大統領が、3月27日から4月16日までの全国規模のロックダウンを更に2週間延長し4月30日までとすることを決めました。その直前に戻り高値をつけていましたが、発表に対しての特に見られませんでした。
また今週は最大の貿易相手国となる中国の経済指標が14日に貿易収支、17日に1〜3月期GDPと小売売上高が発表されます。数字の悪化の状況によっては南アフリカ経済への影響が改めて懸念されることもありそうです。個人的には悪材料が出尽くしたのも一時的な現象として考えていた方が良いのではないかと見ています。
今週は金融市場的には一段落の感が強いため、テクニカルな観点から見ていきます。まずは日足チャートをご覧ください。
先週月曜の5.60で底打ちに見えますが、戻りは限定的にならざるを得ないと考えていますので、テクニカルに上値の近い水準でのターゲットを考えると、3月9日安値と3月27日安値(格付け引き下げ直前の安値)を結んだサポートライン(ピンクの太線)を重視したいところです。このラインは現在のレジスタンスとして機能すると考えられ、ちょうど均衡表基準線の位置と重なっていますので6.16に位置していることとなります。
また下値は先週安値まではやや遠い感じもしますので、今週という期間で考えるならば史上最安値の5.60とその後の戻り高値となった6.09の61.8%押しとなる5.79という水準がひとつの目安となってきます。戻り高値を上抜けた場合には、値幅観測もし直すこととなりますが、仮に6.16まで上げた場合の61.8%押しは5.81ですから、ざっくりと5.80前後という見方で良いでしょう。
参考までに上記ターゲットを加えたいつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。
こんな感じですね。今週はいったん横方向へのもみあいを考えるものの、戻りは鈍く5.80レベルをサポートに、6.15レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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