南アランド週報:『史上最安値圏から持ち直すも持続性には懐疑的。反落リスクに要注意』(4/11朝)

南アフリカランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「続落リスク」が警戒されます。

南アランド週報:『史上最安値圏から持ち直すも持続性には懐疑的。反落リスクに要注意』(4/11朝)

史上最安値圏から持ち直すも持続性には懐疑的。反落リスクに要注意

今週のレビュー(4/6−4/10)

今週の南アフリカランド円相場は、週初5.69円で寄り付いた後、@3/27のムーディーズによる南アフリカ国債の格下げ(Baa3からBa1)の影響が尾を引く形で、週明け早々に、史上最安値となる5.60円まで下げ幅を広げました。しかし、急激に下げ過ぎた反動からショートカバーが優勢となると、A米FRB(連邦準備理事会)による中小企業や地方政府に対する2.3兆ドル規模の大型資金供給策の発表(量的緩和拡大→リスクオン)や、B世界的な株価の上昇、C南ア・3月SACCI景況感指数(結果89.9、予想85.0)の予想を上回る結果、D南アフリカ中銀による追加緩和期待(景気下支え期待)などが支援材料となり、週後半にかけては、高値6.09円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局6.03円での越週となっております(心理的節目6.00円台を回復してのクローズ)

来週の見通し(4/13−4/17)

南アフリカランド円相場は、2/21に記録した高値7.48円をトップに反落に転じると、今週初(4/6)にかけて史上最安値5.60円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを表す三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも成立するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象づけるチャート形状が続いております(但し、週後半にかけての上昇を受けて、上記の内、一目均衡表転換線の上方ブレイクは実現済み)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(IMFやムーディーズは南アフリカ経済見通しを大幅下方修正。また新型コロナウィルスに端を発した中国経済の減速懸念も対中依存度の高い南アフリカに強い下押し圧力を加える恐れあり)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(度重なる計画停電→南アフリカ経済減速→GDPの更なる悪化懸念)、B米中貿易摩擦の再燃リスク(第2段階合意の後ずれリスク)、Cムーディーズによる格下げを受けたWGBI(World Government bond Index=世界国債インデックス)から除外決定(南アフリカ債券市場からの資金流出リスク)、D中東を巡る地政学的リスク、E南アフリカ国内における感染者数の急増リスク(ラマポーザ大統領は4/10、ロックダウンの2週間延長を発表)、F南アフリカ国債利回りの上昇に伴う財政赤字拡大懸念など、不安材料は山積みです。

以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「続落リスク」が警戒されます。新型コロナウィルスの感染拡大や、ムーディーズによる格下げ決定を受けた「トリプル安(株安・通貨安・債券安)」の流れ、同国経済への下押し圧力は続くと見られ、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします(4/15に予定されている南ア・2月小売売上高や、4/17の中国第1四半期GDP速報値や鉱工業生産、固定資産投資、小売売上高などに注目)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):5.60ー6.20

史上最安値圏から持ち直すも持続性には懐疑的。反落リスクに要注意

南アフリカランド円日足

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