トルコリラ円見通し 2018年8月のトルコ通貨危機時の安値割れからさらに安値更新続く(20/4/17)

17日未明には15.59円までやや戻したが16日昼高値15.62円には届いていない。

トルコリラ円見通し 2018年8月のトルコ通貨危機時の安値割れからさらに安値更新続く(20/4/17)

【概況】

トルコリラ円は4月9日夜の戻り高値16.41円から下落に転じて4月13日夕刻に16円を割り込み、15日未明にはドル円の107円割れと対ドルでトルコリラ続落により15.68円まで続落した。
4月15日午前にドル円が4月2日未明安値106.91円と同値を付けてから戻したものの対ドルでのトルコリラ安が続いたために16日早朝には15.46円まで続落して2018年8月のトルコ通貨危機でつけた安値15.52円を割り込んだ。
4月16日の日中は15.60円台まで戻したものの16日夜には15.43円まで安値を更新した。17日未明には15.59円までやや戻したが16日昼高値15.62円には届いていない。

【トルコリラは対ドルで4日続落、2018年8月のトルコ通貨危機以来の安値をさらに更新】

ドル円は4月15日午前に106.91円まで下落したが4月2日未明安値と同値で下げ止まり、ひとまず底割れ回避で108円まで戻している。16日夜には107.16円まで反落する場面もあるなど、下げ一服ではあるが反騰に勢いがついている印象はまだ乏しい。
円高が緩んだもののトルコリラは対ドルでの下落を続けている。
トルコリラは対ドルで4月10日から4日連続の日足陰線で下落してきたが、4月16日も6.9580リラまで続落して5日連続の日足陰線となった。トルコリラ円は既に2018年8月のトルコ通貨危機でつけた安値を割り込んでいるが、対ドルでも同通貨危機時の安値7.2349リラに徐々に迫ってきている。
新興国通貨安がやや一服していたもののブラジルレアルは4月9日から再び下落基調に入り、南アランドも4月6日に対ドルでの史上最安値を更新した後は下げ一服となっていたが4月9日からは再び下落に転じており、4月13日から16日まで4日連続の日足陰線で下落している。

4月14日にIMFが今回のコロナショックが大恐慌時代並みとなる可能性を示したことから先行きの新興国通貨安・通貨危機懸念が強まってきていることでトルコリラも対ドル及び対円での下落感がかなり強まっている印象だ。また4月16日は豪ドルやNZドル及びユーロドルの下落も目立っており、やや緩んでいたドル資金需給が再びひっ迫し始めてドル高感が強まり始めている可能性にも注意したい。

【トルコの感染者増、拡大ペース増す】

4月17日朝時点における新型コロナウイルスによる世界の感染者数は218万人、死者は14.5万人を超えた。米国では感染者67.7万人(前日比2万9053人増)、死者3万2917人(同1667人増)となった。
トルコの感染者数は17日朝時点で7万4193人で前日比4801人増、死者は1643人(同125人増)となった。3月31日から新規感染者が日々2千人を超え、4月4日からは増加数が3千人を超え、4月8日からは4千
人を超えるペースが続いてきたが16日も増加ペースは加速している。

トルコ政府のカルン報道官はツイッター投稿で「トルコは対策と治療において有利な地位にある。我々の医療インフラは強力である。病床及び医薬品のキャパシティに不足はない。感染症は措置を厳格に適用することによってのみ止めることができる」と述べた。トルコは医療崩壊的な危機は報じられず、海外への医療物資支援も続けている。ツイッターでは保健省発表は実態を反映していないとかコロナにカウントされない死者も多いのではないかとの発信もある。感染増加は日々拡大して危機感も募るが、本邦のような医療崩壊への悲鳴等は見られないようだ。因みにトルコ国会は5月末まで休会のようだ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルにおいては、4月9日夜高値で直近のサイクルトップを付けて弱気サイクル入りしてきたが、14日早朝安値以降の下げ渋り的な横ばいから一段安したため、15日午前時点では14日早朝安値を直近のサイクルボトムとしてすでに底割れによる新たな弱気サイクルに入っている可能性があるとした。
16日朝へ一段安してから戻しているが、14日早朝からの反発幅を超えていたため、16日午前時点では16日朝安値を直近のサイクルボトムとして底割れ回避のうちは上昇余地ありとしたが底割れからは新たな弱気サイクル入りとした。
16日夜に安値を更新した後はやや戻しているが、4月16日昼高値15.62円を超えないうちはボトム形成へ向けた下落継続とする。ただし16日昼高値を超える場合は16日夜安値ないしは直前安値をボトムとした強気サイクル入りと改めて17日午後から21日午後にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では4月16日夜安値からの反発で遅行スパンは実線と交錯し、先行スパン下限が上値抵抗となっている。16日昼高値を上抜く場合は戻りをさらに試す可能性ありとして遅行スパン好転中の高値試し優先とするが先行スパン上限が上値抵抗となりやすいと思われる。16日夜安値割れからは一段安入りとして遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は4月16日朝から16日夜への下落時に指数のボトムが切り上がる強気逆行を見せて上昇しているので、40ポイント以上での推移中は上昇余地ありとみるが、60ポイント前後までを抵抗とし、40ポイント割れからは下げ再開とみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す
(1)当初、4月16日夜安値15.43円を下値支持線、4月16日昼高値15.62円を上値抵抗線とする。
(2)16日夜安値割れ回避のうちは戻りを試す余地ありとし、15.62円を超える場合は15.70円前後への上昇を想定する。15.70円以上は反落警戒とするが、15.60円以上での推移なら週明けも高値試しを続けやすいとみる。
(3)4月16日夜安値割れからは一段安入りとなるので15.20円前後への下落を想定する。15.20円以下は反発注意とするが、16日夜安値を割り込んだ後も15.50円以下での推移なら週明けも安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

4月22日
 16:00 4月消費者信頼感指数 (3月 58.2)
 20:00 トルコ中銀政策金利 (現行9.75%、予想 8.5%)
4月24日
 16:00 4月景況感指数 (3月 99.7)
 16:00 4月設備稼働率 (3月 75.3%)

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