トルコリラ円レポート月曜版(2020年4月6日)

トルコ国内においても新型コロナウイルス感染者が急速に増加していることが、トルコの景気悪化を加速させるとの見方から更なるトルコリラ売りを招いた一週間となりました。

トルコリラ円レポート月曜版(2020年4月6日)

トルコリラ円レポート月曜版

先週の振り返り(ショートコメント)ですが、下げに注意し「16.20レベルをサポートに16.90レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が15.93レベル、高値が16.69レベルと、直近の安値を下抜けたことで一時16円の大台を割り込む展開となりました。

先週のトルコリラは、まず前週末にムーディーズが南アフリカの格付けを引き下げ投資不適格としたことで新興国通貨全般に地合いが悪くなってスタートを切りました。トルコ国内においても新型コロナウイルス感染者が急速に増加していることが、トルコの景気悪化を加速させるとの見方から更なるトルコリラ売りを招いた一週間となりました。

感染者急増はトルコに限ったことではありませんが、前週のムーディーズの南アフリカの格付け引き下げの理由に感染者拡大に対する言及があったことから、新興国における感染者拡大は時期的に悪材料とされやすかった面もあると思いますが、実際にトルコ国内における感染者増加のスピードが世界全体から見ても速いのは事実です。

トルコリラ円レポート月曜版

上のグラフは感染者数を世界(青、右軸)とトルコ(赤、左軸)で比較したものですが、3月25日以降、トルコの感染者数(赤)が急角度で伸びていることがわかります。イタリアの感染者が急増した際の急増パターンと似ていますが、トルコではこれまで外出禁止が65歳以上だけであったことも感染者増を招いた気がします。しかも週末には外出禁止の対象に20歳以下も含めたようですが、トルコ国内の感染者の6割を占めるイスタンブールでも車両の出入りが禁止されるのみで、マスクを着用していれば21〜64歳の人は公共交通機関にも自由に乗り降りできるようです。

こうなると更なる感染拡大が懸念され、それが新たなトルコリラ売りを招くのではないかという気がしてなりませんが、エルドアン大統領は独特な価値観を持っているので、少しくらい妙なことをしても驚きません。また、今週はトルコの失業率の発表がありますが、数字は1月分ですからまったく参考にはなりません。それ以上にテクニカルな動きの方が気になります。

いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版 2枚目の画像

既に残されたサポートは2018年安値(15.48=史上最安値)しかありません。業者によってはもう少し低いレートをつけているところもありますが誤差のうちです。こうして見ると、テクニカルには3〜4週間前の安値圏(16.40レベル、ピンクの水平線)を下抜いたことで下げのトレンドが確定したと考えられ、現状は次のサポート兼ターゲットとして15.48(黒の水平線)が完全に視野に入ってきました。

今週は史上最安値更新の可能性が高いと見て、15.40レベルをサポートに、16.40レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

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