トルコリラ円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが、テクニカルな観点から「16.20レベルをサポートに17.20レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が16.40レベル、高値が17.02レベルと、予想のレンジの中で横ばい、静かな値動きの一週間となりました。
先週のトルコリラは、注目されていたトルコ中銀の金融政策決定会合が前倒しでの緊急利下げが実施され、1%の利下げによって9.75%といよいよ一桁の政策金利となりました。予想通りに各国と足並みを揃えて予想よりも大きい利下げとなりましたが、先週も書いた通りで政策金利を一桁にしたいとうエルドアン大統領の意にも沿った結果と取ることもできそうです。
通常時であれば大幅利下げによりトルコリラ売りの反応が出てもおかしくは無いのですが、前日にFRBがゼロ金利へと緊急利下げを行った直後であったことや、金融市場を取り囲む信用収縮懸念の中で目立った反応につながらなかったことは、当然であったかもしれません。
そして、トルコの国内と対外的な材料には大きな変化はありませんが、新型コロナウイルスの感染者拡大がトルコでも確認され、それに伴いトルコでも景気悪化の懸念が広がっています。トルコ国内では65歳以上の外出禁止、海外にいるトルコ人に対しても自宅から出ないことを推奨するなど、深刻になる前に人の移動を制限する動きに出ています。景気悪化懸念は世界中すべての国と言ってよいのですが、トルコでも今後ますます懸念が広がりそうですから、ドル高・トルコ安の流れと緩やかなトルコ安・円高の流れは継続しやすいと言えそうです。
テクニカルにいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
やや幅が広い感はありますが、平行下降チャンネルの中でトルコリラ円は緩やかな下げトレンドを継続しています。先週は値幅を狭め横方向の動きとはなっていますが、材料的なことを考えるとトルコリラだけでなく新興国通貨はもっとも売られやすい状況にありますので、今週も基本的に上値が重たい展開を予想します。
ここ2週間の安値圏を下抜けると下げが加速しやすいですから、16.20レベルをサポートに17.10レベルをレジスタンスとする週とします。
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