乱高下継続か、G20財務相のTV会議など注視(3/23夕)

23日の東京市場は、ドルが弱含み。当初は底堅さもうかがえたが、終盤にかけ一時110円台を再び割り込む局面も観測されている。

乱高下継続か、G20財務相のTV会議など注視(3/23夕)

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23日の東京市場は、ドルが弱含み。当初は底堅さもうかがえたが、終盤にかけ一時110円台を再び割り込む局面も観測されている。

週末に話題となっていたのは、引き続き新型コロナウイルスに関する話。また、先週末の21日早朝に「北朝鮮が2発の飛翔体を発射した」ことや、世界陸連などが開催延期を相次ぎ要望した「東京五輪の開催有無をめぐる問題」も、そこここで思惑を呼んでいた。
そうしたなか、週明けのドル/円相場は先週末のNYクローズとさほど変わらない110.70-75円で取引開始。その後111円台を回復し、111.20-25円の日中高値を示現するも勢いは続かなかった。時間で取引されている米株先物が一時値幅制限いっぱいの下落を演じたことなどが嫌気されると、ドルはじり安推移に。110円を割り込むと109.65-70円まで下落し、16時時点では小戻した110.00-05円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナウイルスの感染状況」と「東京五輪開催をめぐる動き」について。
前者は、イタリアで感染者の死者数が初めて5000人超えたほか、スペインでも「新たに394人死亡、過去24時間で30%も増加」したことが明らかになるなど、依然として欧米諸国を中心とした感染拡大は止まらず。また、「米副大統領のスタッフが新型コロナに感染」との報道も一時思惑を呼ぶが、当のペンス副大統領はツイッターで「検査の結果陰性だった」と報告していた。
対して後者は、わずか数日前には国際オリンピック委員会(IOC)が「東京五輪の中止はいかなる問題も解決せず、誰のためにもならない」とした声明を発表していたものの、それを覆すような発表が各国委員会から相次ぎ発表されている。挙げ句の果てには、CBC放送が「東京五輪が延期されなければカナダは選手を派遣しない」とカナダのボイコットを示唆する報道まで行っていた。なお、そうした状況を受けてか、当初は頑なだった安倍首相や小池都知事の態度も軟化。安倍氏は国会で「延期も行わざるを得ないと考えている」などとトーンダウンしていた。

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米株のパニック的な動きはさすがに収まりつつあるものの、先週末レポートしたように「落ち着きを取り戻しつつある」と言うには早計だったか。実際、先週末のNYダウは終値ベースで913ドル安、それに続く東京時間の先物取引でも一時900ドル以上の下落をたどっている。まだまだ予断を許さない。ただ、株安を受けた為替市場の影響については見方がわかれており、「リスク回避で円高」という意見が聞かれる反面、「金融資産の現金化加速などでドル高」との指摘も少なくないようだ。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は依然として目白押しだ。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題。欧米を中心とした感染拡大状況ならびに、金融政策を含めた各国のさらなる財政対応などに注意を払いたい。また本日は、ムニューシン米財務長官が「大型景気対策の議会通過」を期待したその日で、米議会の折衝が注視されるほか、G20の財務相がテレビ会議を実施する予定とされ、そちらも一応要注意。

テクニカル面からすると、上下動がなかなか激しいものの、ここ数日は109.30-111.50円といったレンジを形成している。本日東京時間にも、ドルは一時109.65-70円まで下落したが、レンジを割り込むことは出来なかった。なお、本稿執筆時に推移している110円前半は、ちょうど中間地点に近く、ここから上下どちらをトライするのか、まずは足もとのレンジをめぐる攻防が注視したい。

本日は、3月のシカゴ連銀全米活動指数という米経済指標が発表される予定となっている。
ちなみに、今回の指標にどこまで盛り込まれるのか不明だが、不確定要素として懸念されているのは、シカゴを含むイリノイ州が20日に「外出禁止令」を出したこと。事前予想値はマイナス0.29となっているものの、大きく下方修正された数字が発表される可能性も考えられる。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.30-111.30円。ドル高・円安方向は、110.40円や110.60円に弱い抵抗が位置し、それらを上抜ければ、東京高値の111.20-25円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、東京安値にあたる109.65-70円が最初のサポート。割り込めば、移動平均の75日線が位置する109円前後が意識されそうだ。

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