南ア中銀は大幅利下げ。来週はムーディーズの格付け発表がメインイベント
今週のレビュー(3/16−3/20)
今週の南アフリカランド円相場は、週初6.65円で寄り付いた後、@新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムード(株安・新興国通貨売り・債券安のトリプルショック)や、A中国経済の下振れ懸念を受けた南アフリカ経済の先行き不透明感(※南アフリカは中国と経済的な結びつきが強い)、B南アフリカ中銀(SARB)による大幅利下げ(結果▲100bpの利下げ、予想▲50bpの利下げ)が重石となり、週後半にかけて、約8営業日ぶり安値となる6.20円まで急落しました。対ドルでも週を通してランド売り基調が継続し、週後半にかけては、2016年1月以来、約4年2ヵ月ぶり安値17.627まで急落しました。
来週の見通し(3/23−3/27)
南アフリカランド円相場は、2/21に記録した高値7.48円をトップに反落に転じると、3/9には史上最安値となる6.02円まで急落しました。足元、6.31円付近まで持ち直すも上値は重く、引き続き、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや200日移動平均線を下回る水準で推移している他、強い売りシグナルを表す三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象づけるチャート形状となっております。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(IMFやムーディーズは南アフリカ経済見通しを大幅下方修正。また新型コロナウィルスに端を発した中国経済の減速懸念も対中依存度の高い南アフリカに強い下押し圧力を加える恐れあり)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(度重なる計画停電→南アフリカ経済減速→GDPの更なる悪化懸念)、B米中貿易摩擦の再燃リスク(第2段階合意の後ずれリスク)、Cムーディーズによる格下げリスク(ムボウェニ南ア財務相による予算発表が失望を誘ったことや、GDP統計が不冴な結果となったことから、ムーディーズは3/27に同国の格下げに踏み切る恐れあり。格下げとなればWGBIからの除外を通じて、南アフリカ債券市場から大規模な資金流出が引き起こされる可能性あり)、D中東を巡る地政学的リスクなど、不安材料は山積みです。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「下落リスク」が警戒されます。ムーディーズによる格下げリスクや、経済的な結びつきの強い中国経済の減速懸念、新型コロナウィルスに端を発したグローバルなリスク回避ムード(新興国においては、株安・通貨安・債券安のトリプルショック)が重石となる中、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします。来週3/27に予定されているムーディーズによる定例格付け見直しが南アフリカランドのメインイベント。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.00ー6.60
南アフリカランド円日足
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