豪州政策金利(キャッシュ・レート・ターゲット)予想
本日、キャッシュレート(政策金利)が発表されます。
豪州準備銀行(中銀)政策金利予想(3月3日8時30分現在)
現行0.75%→0.63%に利下げ予想 エコノミストのレンジは(0.50%〜0.75%)。
上記はエコノミスト予想平均値ですので、利下げ実施の場合は0.25%になると思います。
豪州中銀は、10月の会合で0.25%の利下げを実施しました。今回はそれに次ぐ利下げになります。2月時点の見通しでは3月も据え置き予想でしたが、コロナウィルスの影響から対中との貿易量多い豪州への景気下押し懸念が強いとの見方です。
政策金利推移(2020年2月末までと3月予想値…赤い線より右側)
エコノミストの先々見通しは下記となっています。
前回2月時点と変わったのは今回3月分の金融政策のみで、年末の4Qまでは利下げ時期も、予想レンジも全く変わっていません。引き続き豪州中銀は0.25%までの利下げを行っていくとのエコノミスト予想になっています。従い、今回利下げしても、2020年内では合計50BPの利下げ予想は変わりません。まだ金融政策面では豪ドル米ドル相場は豪州ドル先安観が拭えない状況です。
尚、前回(2月4日開催の記者発表)の要旨は下記になっています。見通し内ではやや楽観的な記述もありましたが、もし今回は利下げを見送っても、先々のリスクに関しては記述を強める可能性があります。
「世界経済の見通しは程よいところにいる。2018年に始まった世界経済の鈍化は終わりつつあるとの兆候があった。世界経済は昨年よりも今年・来年と少し強くなると予想されている。そしてインフレは世界中で低いままである。最近の進展にも関わらず、不確実性が続いている1つの要因は米中間の貿易とIT論争である。そしてそれは世界貿易の流れや投資に影響を与えている。もう1つの不確実性の要因はコロナウィルスである。これは目下のところ中国経済に著しい影響を与えている。このインパクトがどの位続くのかを推し量るのはまだ早い。
金利は世界中で低く、幾つかの中銀は昨年後半に緩和を実施した。そして幾つかの国では一段の緩和期待がある。長期国債のイールドは多くの国で最低水準であり、企業や家計の借入金利は歴史的に最低水準にある。
豪州経済の中央シナリオは今年2.75%、来年3%の成長である。そして過去2年間の成長率よりは上がっている。短期的には、山火事とコロナウィルスの拡散が一時的に国内成長に重石となっている。家計部門は、長引く緩やかな賃金上昇、昨年の住宅価格下落の調整を行っている。結果、家計消費は極めて弱かった。バランスシート調整期間を経て、消費の伸びは次第に上がっていくと予想している。全般的な見通しは、低水準の金利、最近の税金還付、インフラ整備の継続的支出、資源部門の明るい見通し、そして昨年末、住宅建設の改善が見込まれたことである。
(中略)
昨年の金融緩和は、雇用や豪州における収入の伸び、あるいは中期にインフレ目標値に向かわせる動きを下支えした。低い政策金利は為替レートを安くする方向となり、それは産業活動を支えた。低金利は家計のバランスシート調整の進展を手助けした。また低金利は資産価格を上げ、ひいては住宅建設を通じて消費増加に繋がるだろう。この進展はインフレ目標値や完全雇用に向かわせる。しかしこの進み具合は依然緩やかさが予想される。
金利は既にかなり低い水準まで下がり、その金融政策が幅広く伝わるには時間がかかり、ラグがあるので、委員会は今回の会合でキャッシュレートを維持することを決めた。世界と国内の要因をみて、低金利の更なる期間延長は豪州にとって完全雇用とインフレ目標達成には必要であると考えることは理に適っていると思われる。委員会は、労働市場を含めて今後も注意深くこの進展を注視することになる。もし完全雇用とインフレ目標達成するという、持続的成長に必要とあれば更なる金融緩和を行う用意がある。」
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
豪ドル米ドル相場はシカゴポジション219内での豪ドル安トレンドラインは、下図(日足ベース)を見ると0.6490〜0.6645米ドルで推移しています。先週金曜日に長い下ヒゲでラインBを割りましたが、昨日も実態部分ではサポートを維持しています。金曜日の底値が0.6434米ドルでしたので、もし今日の中銀の金融政策で予想通りに利下げした場合は最初のトライレベルになりそうで、また今日の終値で実態部分まで戻せるかが当面の鍵になりそうです。上値は0.6580、0.6610米ドルに目先の抵抗線が控えています。
次回金融政策発表は2020年4月7日(火曜日)に予定されています。
(3月3日9:45、1豪ドル=0.6532米ドル)
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:橋本 光正
2020.03.02
オーストラリアの1月住宅建設許可件数の予想(2020/3/2)
日本時間2020年3月3日朝9時30に発表予定です。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。