豪州中銀政策金利議事要旨(2020年3月3日公表済)

2020年3月3日公表済分です。

豪州中銀政策金利議事要旨(2020年3月3日公表済)

豪州中銀政策金利議事要旨(2020年3月3日公表済)

豪州中銀はキャッシュレートを0.25%下げて0.50%としました。従前のエコノミスト予想通りになっています。

以下は豪州中銀の金融政策の討議要旨です。


(要旨)
本日の会合で、委員会はキャッシュレートを0.25%下げ、0.50%にすることを決定した。これは世界的なコロナウィルスの突発発生に応えた決定である。

コロナウィルスは世界経済の短期見通しを暗くした。そして2020年上半期の世界経済は当初の予想よりも下がることを意味する。この突発発生に先立ち、2018年に始まった世界経済鈍化が終わりに近づいた兆候があった。コロナウィルスの影響がどの位しつこく、世界経済改善の道程にどうなるのかを述べるにはまだあまりに早い。中国含め、成長を支える政策手段が幾つかの国で発表された。インフレはあらゆる地域でまだ低い。失業率は多くの国で何十年ぶりの低さである。

長期国債のイールドは豪州含めて、多くの国で最低を記録した。また豪州ドルは最近一段と安くなった。ここ何年かで最低水準である。米国含めた多くの経済において、今後一段の金融刺激策が期待されている。金融市場はコロナウィルスに関連したリスクで、市場参加者はボラタイルだと見做している。豪州の金融市場は効果的に運用され、中銀は豪州金融システムが十分に流動性あると確信している。

コロナウィルスの突発発生は現下の豪州経済に著しい影響をもたらしている。とりわけ教育や観光業部門である。これから生じた不確実性が国内消費に影響を与えている。結果、3月末期のGDPは当初予想より著しく弱くなるだろう。その影響がどの位大きく、どの位長く続くのかを予想するのは難しい。コロナウィルスが一度抑制されたら、豪州経済は再び改善トレンドを辿れると予想している。この予想うは低金利、高水準のインフラ支出、低い為替レート、資源部門の前向きな見通し、そして居住用建設や個人消費の改善予想に支えられている。豪州政府はコロナウィルスにより影響を受けた経済分野を手助けすると指示している。

失業率は1月に5.3%まで悪化した。昨年4月以降は約5.25%だった。賃金の伸びは弱く、まだ暫く改善が予想されていない。賃金の緩やかな伸びは今後の進展には歓迎されるし、インフレが2〜3%の中銀目標レンジ達成に必要とされる。

中古住宅市場の更なる改善の兆候はあった。ほとんど市場で価格が上がり、いくつかのケースではかなり強かった。住宅ローン契約も増えた。但し、投資家による借入需要はまだ弱い。住宅ローン金利は歴史的に低い。借入し易い人は金利に対して競争力が強い。貸出状況は中小企業には依然厳しい。

コロナウィルスによる世界的な突発発生は、完全雇用やインフレ目標に向けて、豪州の進展を遅らせると予想している。それ故に、委員会は、雇用や経済活動を下支えには、金融政策の一段の緩和が適切であると判断した。その進展を密に監視し、コロナウィルスの経済に対する関わり合いを査定し続けることである。委員会は豪州経済を下支えするために更なる金融緩和を用意している。
(以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(出所:豪州中銀HP)

今回の利下げは世界的に拡大するコロナウィルスによる不確実性拡大に対する措置であったことを主体に議論されています。従い、コロナウィルスが予想外に早い収束があった場合は当分金利据え置きが見込まれ、その間に新たな経済指標を査定していくことになります。いずれせよ、利下げは残り50ベーシスしかないので、中銀の打ち出せる政策が次第に厳しくなってきます。

豪ドル米ドル相場は金融政策発表前に0.6520米ドル絡みで推移していましたが、予想通りの利下げとその利下げ要因がコロナウィルスに起因していることで、豪ドルは0.6565米ドル付近まで買われ、現在は0.6550米ドル絡みで推移しています。最初の抵抗線0.6580米ドル手前までしか戻れず、一方で、下値は0.6490米ドルの豪ドル安トレンドライン下限を守っており、当面は豪ドルが弱いながらも0.6490〜0.6580米ドルレンジで、次の材料待ちになりそうです。
(2020年3月3日14時00分、1豪ドル=0.6551米ドル)

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