豪州政策金利(キャッシュ・レート・ターゲット)予想
明日、2020年最初の豪州中銀金融政策が開催され、キャッシュレート(政策金利)が発表されます。
豪州準備銀行(中銀)政策金利予想(2月3日14時00分現在)
現行0.75%→0.75%と据え置き予想 エコノミストのレンジは(0.50%〜0.75%)で一部エコノミストは利下げ予想
豪州中銀は、10月の会合で0.25%の利下げを実施しました。それ以降は5ヶ月連続の据え置き予想です。但し、前回までと違うのは利下げ予想が出始めたことです。
政策金利推移(2020年1月末までと2月予想値…赤いより線右側)
エコノミストの先々見通しは下記となっています。
昨年12月時点見通しでは、今年最初の金融政策会合(2月)で0.25%利下げ予想が大半でしたが、今回は据え置きが大半です。しかしながらその先は大きく変わってきています。
現時点では2020年内に合計50BPの利下げを予想しており、0.25%まで政策金利を下げる見込みになっています。少なくともこの先行き見通しを覆せる豪州の経済指標とか、中国の成長拡大見通しなどが出ない限り、豪ドル米ドルの相場は豪州ドル先安観が拭えない状況です。最低でも、2020年前半は豪ドル高の重石の1つとなりそうです。
今回の会合を含めて金融緩和の予想要因としては、コロナウィルスの影響により企業・個人消費の信頼感指数の低下は避けられそうになく、また観光業への打撃が大きいと分析しています。豪州の対中輸出に占める割合は、2002年〜03年当時に全体の7%程度でしたが、2018年〜19年には33%にも拡大しています。鉄鉱石は中国の輸入82%が豪州産となっているようです。
尚、前回(12月3日開催の議事録要旨)の中銀要旨は下記になっています。今回まで米中貿易協議の合意、中東情勢の地政学リスク、コロナウィルスの影響などが、新たな材料として出てきているので、これらの点が議事内容に反映されているのか注目します。
「(一部略)…昨年後半の足踏み状態の後、豪州経済は緩やかな転換期に達した。成長の中央シナリオは2021年には約3%まで緩やかな成長を見込んでいる。低水準の金利、減税、インフラへの継続的支出、住宅価格の上昇、そして資源関連部門の明るい見通しが成長を全て支えている。主要な国内の不確実性は消費の見通しであり、消費支出に重きをなす可処分所得の緩やかな伸びである。他の不確実性の要因には干ばつの影響と住宅建設サイクルの進展具合である。
失業率はここ数ヶ月5.25%で安定している。暫くはこの水準で推移することが予想される。その後は2021年に5%近くまで緩やかに下がって行くと予想している。賃金の伸びは低く、暫くの間は現状の割合で推移すると予想している。更なる賃金の伸びは歓迎すべきことであり、インフレが中銀目標の2〜3%に収まるには必要なことである。纏めると、最近の結果は、豪州経済がより低い失業率を維持することを示唆している。
インフレは上昇が予想されるが、それは徐々に増加すると見られる。インフレやコアインフレは2020年と2021年には2%に近くづくと予想している。
(住宅市場関連は略)
今年行った金融政策の緩和は豪州の雇用や収入の伸び、あるいはインフレの中期目標レンジへの回帰を下支えしている。より低いキャッシュレートは為替の下方圧力を与える。その為替は様々な企業の活動を支えている。それはまた資産価格を上げ、時に居住者建設を含めた支出を増加させる。より低い住宅金利は家計の可処分所得を増加させる。やがて家計支出も押し上げられる。
これらの低金利の影響と金融政策の伝播面での長期的かつ変動的なラグ(遅れ)を考慮し、委員会は労働市場を含む今後の進展を注視しながら、今回の会合でキャッシュレートを据え置くことを決めた。
委員会はまた世界的及び国内的要因により、更なる長期間の低金利が完全雇用を達成し、インフレ目標を達成する上で豪州には必要であることを合意した。委員会は労働市場を含めて今後の進展を注視し、もし経済の持続的成長、完全雇用、あるいはインフレ目標達成のために、一段の金融緩和が必要とあれば行う用意がある。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
豪ドル米ドル相場はシカゴポジション215を参照願います。注意点としては、一部エコノミストが利下げ予想しているものの、全体では据え置き予想ですので、もし利下げを実施した場合は豪ドルが弱い現状、材料視されると思います。
次回金融政策発表は2020年3月3日(火曜日)に予定されています。
(2月3日15:00、1豪ドル=0.6701米ドル)
オーダー/ポジション状況
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