トルコリラ円見通し 1月27日朝安値からは下げ渋りだが戻りは鈍い(20/1/29)

ドル/トルコリラは1月16日からのドル高リラ安が27日まで続いたが、28日はドル高一服で上げ渋ったものの高値圏を維持している。

トルコリラ円見通し 1月27日朝安値からは下げ渋りだが戻りは鈍い(20/1/29)

【概況】

1月17日高値18.82円からの下落が続き、中国武漢発の新型コロナウイルスの感染拡大報道により1月27日朝には18.26円まで一段安となったが、その後は新たな安値更新を回避して下げ渋りとなり、18.30円を挟んだ持ち合いで推移している。28日夜には27日朝安値に迫ったものの同値近辺で戻している、
1月27日朝以降の戻り高値は1月27日夕刻の18.37円だが、29日朝の上昇で同値まで戻しているものの高値更新には至らずにいる。

クロス円は新型コロナウイルスの感染拡大問題によるリスク回避で1月27日まで推移してきたが、28日午前に中国の感染死者数が100名を超えたとの報道があったものの市場の反応は鈍く、前日に一時500ドル超の大幅下落となったダウ先物が買い戻しの動きを継続したためにドル円もトルコリラ円も新たな安値更新へと進まずに下げ渋り状態を続けている。
1月28日深夜には米消費者信頼感指数が予想を上回ったことでドル高が進み、ドル円が上昇したことでトルコリラ円も新たな底割れを回避して戻したところだが、上値も重い印象だ。

1月29日朝、中国本土の感染死者数が131名へ拡大したと報じられ、ドル円ではやや円高反応も見られたが大きな動きにはならず、トルコリラ円も持ち合いの範囲内での推移を維持している。
1月28日のイスタンブール100株価指数はダウ先物の上昇と同調して一時的に戻す場面もあったが終盤に下落して5日続落で終わった。
ドル/トルコリラは1月16日からのドル高リラ安が27日まで続いたが、28日はドル高一服で上げ渋ったものの高値圏を維持している。

感染拡大報道によるリスク回避的な動きはやや落ち着いているが、これから先に感染爆発のピークが来るとすれば、1月27日朝からのドル円及びトルコリラ円の下げ渋りも限定的なものに止まり、感染拡大が一段と深刻化する報道があれば早々に安値更新へ進みかねないところと思うが、1月30日未明には米連銀のFOMC金融政策発表及び議長会見も予定されているので、市場の動きもやや慎重なものとなりやすいかもしれない。

【ドルストレートでのドル高感強まる】

リスク回避的な動きのなかでクロス円では円高が進行したが、一方ではドルストレートでのドル高が進んでいる。
メジャー通貨の加重平均であるドル指数はユーロ安が続いているために12月31日安値96.35から上昇基調にあり、1月28日には高値で98.16をつけてこの間の上昇率は1.9%高となっている。
豪ドル米ドルは12月31日高値0.7031ドルから28日安値0.6735ドルまで下落基調が続き、この間の下落率は4.2%安。ドル/南アランドでは1月2日底13.9261ランドから1月28日高値では14.7082ランドへ上昇(ドル高ランド安)し、この間の上昇率(ランドの下落率)は5.6%となっている。この他でもタイバーツやブラジルレアルの下落が目立っている。

リスク回避により、本邦投資家によるクロス円での手仕舞い売りによる円の買い戻しが円高を助長し、ドルストレートでは投機的通貨に対するポジション調整での手仕舞い売りがドル高を助長している。ドル/トルコリラもドル高リラ安がやや一服しているものの上昇基調=ドル高リラ安の流れは継続している印象であり、新型コロナウイルスの感染拡大がさらに深刻化する場合はクロス円の円高と共に新興国・資源輸出国の通貨安が一段と進む可能性もあると注意したい。特に中国が春節を延長しているが、大型連休明けの上海株式市場が暴落的な動きにならないか懸念も高まる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円60分足

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月27日朝安値からの下げ渋りが丸1日続いたため、1月28日午前時点では1月22日午前安値から3日目となる27日朝安値を直近のサイクルボトムとした。またトップ形成期は22日夜高値を基準として27日から29日夜にかけての間と想定されるのでまだ上昇余地ありとしたが、27日朝安値を割り込むところからは新たな弱気サイクル入りとした。

1月28日夜の下落場面では底割れを回避して戻しているため、まだ上昇余地が残るが、前回サイクルトップから既に4日を経過しているので18.30円割れからは下げ再開警戒とし、27日朝安値割れからは新たな弱気サイクル入りによる一段安開始として1月30日朝から2月3日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では28日夜の安値更新回避からの反発で遅行スパンが好転した。29日朝の高値では先行スパンの上限に来ているが上抜けしきれずにいる。遅行スパン好転中は上昇余地ありとし、先行スパン突破からは上昇に弾みも付きやすいとみるが、先行スパンから転落するところからは下げ再開を警戒して27日朝安値試しとし、底割れからは遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は1月27日朝の下落で20ポイント台序盤まで低下したが、その後の反発で60ポイント台序盤まで戻した。50ポイントを割り込んでも切り返す内は上昇余地ありとみるが、60ポイント台では戻り売りの圧力もかかりやすいとみる。40ポイント割れからは下げ再開とみて20ポイント台への低下を伴う下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、18.30円、次いで1月27日朝安値18.26円を下値支持線、27日夕高値18.37円を上値抵抗線とする。
(2)18.30円以上での推移中は上昇余地ありとし、27日夕高値超えからは18.40円台序盤試しを想定する。18.40円以上は反落注意としてその後の18.35円割れからは下げ再開を疑うが、18.35円以上での推移なら30日も高値試しを続ける可能性があるとみる。
(3)18.30円割れから続落に入る場合は27日朝安値試しとし、底割れからは一段安入りとして18.20円前後への下落を想定する。18.20円前後ではいったん買い戻しも入りやすいと注意するが、リスク回避的な売りが加速する場合は週末にかけて18.10円前後まで下値目処が切り下がる可能性もあるとみる。また18.30円以下での推移なら30日も安値試しへ進みやすいとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

1月29日
16:00 1月経済信頼感指数 (12月 93.8)

1月30日 
16:30 トルコ中銀インフレレポート

1月31日
16:00 12月貿易収支 (11月 -22.3億ドル)

2月 3日
16:00 1月消費者物価 前年比 (12月 11.84%)
16:00 1月消費者物価 前月比 (12月 0.74%)
16:00 1月生産者物価 前年比 (12月 7.36%)
16:00 1月生産者物価 前月比 (12月 0.69%)

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