トルコリラ円見通し リスク回避に圧された状況続く。27日朝安値からは下げ一服で揉み合い(20/1/27)

中国の感染死者数が80人へ拡大したとの報道から18.26円まで一段安となったが、その後は新たな安値更新を回避して18.30円を挟んだ揉み合いで推移している。

トルコリラ円見通し リスク回避に圧された状況続く。27日朝安値からは下げ一服で揉み合い(20/1/27)

【概況】

トルコリラ円はイラン情勢緊張による下落で1月6日安値17.94円まで下げた後はイランと米国の全面戦争回避によるリスク回避感の後退でドル円とともに反騰に転じて1月17日には18.82円まで上昇したが、連騰に対する高値警戒感から下落に転じ、中国武漢発の新型コロナウイルスの感染拡大報道により再びリスク回避感が強まる中でドル円とともに売られて1月25日未明には18.35円まで安値を切り下げてきた。

1月27日朝には中国の感染死者数が80人へ拡大したとの報道から18.26円まで一段安となったが、その後は新たな安値更新を回避して18.30円を挟んだ揉み合いで推移している。
日本時間1月25日未明に発生したトルコ東部のエズラー地震(マグニチュード6.8)における死者は41人に達した。


1月27日にはトルコ経済指標の発表もあったが市場の反応は限定的だった。
トルコの1月設備稼働率は75.5%で12月の77%から低下した。1月の景況感(製造業信頼感)指数は104.1となり12月の103.6から上昇した。
1月のセクター別の信頼感指数では、サービス業が95.2(12月が93.2)、小売が105.0(同102.6)、建設業が78.9(同68.9)と総じて改善した。

【トルコ株は4日続落、ドル高リラ安も進む】

金融市場全般のリスク回避感が強まる中でトルコリラ円も売られている。27日朝はダウ先物が大幅下落で開始し、日経平均が一時500円を超える下落となり、ドル円も109円をいったん割り込んだ。国際商品市場も安全資産買いされているゴールド以外はほぼ全面安となり、原油やゴム、穀物も大幅下落した。感染拡大による経済活動の停滞、物流・貿易の減速懸念が背景だ。
ゴールドと円、欧米の長期国債が安全資産・逃避先として買われ、投機的なポジションは手仕舞い売りされやすくなっている。資源輸出国・新興国通貨では豪ドル、NZドル、南アランド、ブラジルレアル、タイバーツ等が軒並み売られており、ドル/トルコリラも1月16日安値からのドル高リラ安が続き、1月27日もこの間の高値を更新している。

NYダウは27日に453.93ドル安と大幅下落したが欧州株も軒並み大幅下落している。トルコのイスタンブール100株価指数も1月22日から27日まで4日間の続落となり、1月27日は前日比1.63%安と大幅下落した。
トルコリラ円にとってはクロス円全般の円高による売り圧力とともに、トルコ株価指数の下落、対ドルでのトルコリラ安が重なってきており、1月27日朝安値からは下げ一服中ではあるが、先安感が強まり始めている印象だ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円60分足

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月27日朝安値からの下げ渋りが丸1日続いているため、1月22日午前安値から3日目となる27日朝安値を直近のサイクルボトムとする。トップ形成期は22日夜高値を基準として27日から29日夜にかけての間と想定されるのでまだ上昇余地ありとみるが、27日朝安値を割り込むところからは新たな弱気サイクル入りとして30日朝から2月3日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では27日朝からの下げ渋りにより遅行スパンは実線と交錯しているが、先行スパンからの転落状態が続いている。先行スパンを突破できない内は1月27日朝安値を割り込んで一段安しやすいとみて、遅行スパン悪化からは安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は1月27日朝の下落で20ポイント台序盤まで低下したが、その後はジリ高で戻している。50ポイント前後が戻り抵抗になりやすいとみるが、40ポイント以上での推移中は高値を試す余地ありとし、35ポイント割れからは下げ再開とみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、1月27日朝安値18.26円を下値支持線、27日夕高値18.37円を上値抵抗線とする。
(2)27日朝安値を割り込まない内は上昇余地ありとし、27日夕高値超えからは18.40円前後試しを想定する。18.40円以上は反落注意とするが18.30円以上での推移なら29日の日中も高値を試す余地ありとみる。
(3)27日朝安値割れからは一段安入りとして18.10円前後を目指す下落を想定する。18.10円台序盤ではいったん買い戻しも入りやすいとみるが、27日朝安値を割り込んだ後も18.30円以下での推移なら29日の日中も安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

1月29日
16:00 1月経済信頼感指数 (12月 93.8)
1月30日 
16:30 トルコ中銀インフレレポート
1月31日
16:00 12月貿易収支 (11月 -22.3億ドル)
2月 3日
16:00 1月消費者物価 前年比 (12月 11.84%)
16:00 1月消費者物価 前月比 (12月 0.74%)
16:00 1月生産者物価 前年比 (12月 7.36%)
16:00 1月生産者物価 前月比 (12月 0.69%)

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