トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、テクニカルに値幅観測と昨年末の水準を考慮し「18.35レベルをサポートに、18.80レベルをレジスタンスとする動き」を見ていました。実際のレンジは、安値が18.62レベル、高値が18.84レベルと、思った以上に底堅かったものの、週間レンジがわずか22銭と最近のトルコリラ円としてはクリスマスの週に次ぐ値幅の狭い一週間となりました。
先週のトルコリラ円は、前週の米国とイランとの対立激化が回避されたことで、地政学的リスクが低下したことによるリスクオフの巻き返しに続いて、堅調な株式市場を見てのリスクオンが下支え要因となったいっぽうで、16日のトルコ中銀の金融政策決定会合を控えて上値も重たい地合いが続きました。
先週のトルコ中銀の金融政策では事前のコンセンサスが0.5%利下げを行い11.5%というところでしたが、結果は0.75%の利下げを行い11.25%と何とも微妙な下げ幅となりました。コンセンサスに反して1%以上の利下げを行うようであれば、現状のCPI(前月年率11.84%)と乖離し、実質的にはマイナス金利となることが懸念されていましたが、CPI以下とはなったものの0.75%と刻んできたことで、利下げ打ち止め感が市場参加者に広がったというところだと思います。発表後に18.82レベルまで上昇し、翌18日に18.84レベルと若干高値を更新後、高値圏での引けとなりました。
声明でもCPIについて触れていますし、今回の利下げまではギリギリ想定範囲内でもあります。利下げ打ち止め感も出てきたところまでは今のトルコリラにとっては好材料ですから、次回以降の中銀会合で更なる利下げ観測が出て来なければよし、というところではないでしょうか。ただ、先週後半はドル円の円安の動きもあり、ドルトルコリラで見た場合には週後半はドル買い・トルコリラ売りとなっています。
少なくとも対ドルではトルコリラ安に動いていますので、円安に助けられた面が大きいだけで、実際のところは利下げによりトルコリラは売られたという判断の方が妥当だと言えるでしょう。
そして、今週は23日にトルコの消費者信頼感が出る程度ですし、トルコ周辺の地政学的環境にも目立った変化は起きていませんので、ドルトルコリラにおけるトルコリラ安が継続するか、またドル円での円安地合いが続くかどうか、それぞれのバランスで方向感が出にくい一週間になるのではないかという見方をしています。
それ以上に現在のトルコリラ円はテクニカルに先週から来週あたりまで、かなり微妙な水準に上がってきていることが気になりますので、今週は週足チャートからご覧ください。
先週高値は太いピンクのレジスタンスラインに接して上抜け出来ずという水準でしたが、現在のトルコリラ円はピンクのサポートと合わせたトライアングル(三角もちあい)の中でどちらに抜けるかを見極める段階にあります。上抜ければ一段高となりますが、反落したらサポートまで下がる可能性、下げるシナリオとして青いラインで示した下降チャンネルも頭の片隅には置いておく必要がありそうです。
また、対ドルでの動きを考えると、先週の上昇の後に今週は反落するのではないかというのが、チャートを見て思うことです。こうしたことも考えながら、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
週足チャートの上下のピンクのラインをそのまま表示し、また先週高値が目先の高値となったと想定して先々週の安値とのフィボナッチ・リトレースメントを表示しました。すると、38.2%押しが18.51、半値押しが18.42となっていて、先週ほどの狭い値幅が続くとも考えにくいので、半値押し程度の調整があるのではないかという見方をしてみました。
トルコリラ自体は対ドルでは弱含んでいること、トルコリラ円は長期チャートのレジスタンスに上がってきたことから、今週のトルコリラ円は18.40レベルをサポートに、18.80レベルをレジスタンスとする動きを見ておきます。
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