トルコリラ円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが、中東の緊張の高まりがトルコリラの上値を抑えやすく「17.60レベルをサポートに18.20レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が18.00レベル、高値が18.68レベルと予想に反して大幅高で終わった週となりました。
先週は水曜まで米国とイランの対立が高まり、それに沿ってトルコリラ円も下げましたが、18.00円の大台を維持したこと、またその後の米国とイランの対立激化が避けられたことで、イランとも今回の攻撃の舞台となったイラクとも国境を接していて地政学的リスクが高まりやすいトルコにとっては急速に懸念が後退した動きとなりました。
そして今週ですが注目は16日のトルコ中銀政策金利発表です。現状は12.0%、コンセンサスは11.5%と0.5%の利下げなっていますが、1月3日に発表されたCPIは年率で前月から1%以上上昇し11.84%となっています。トルコ中銀総裁は金融政策的にはエルドアン大統領同様に積極的な利下げでこれまで来ましたが、仮に11.5%となると単月の数字とはいえCPIを下回る数字となり、これまでのようにインフレが収まっているから利下げは問題ないというところから、またインフレ懸念を起こすのではないかとなり、トルコリラ安に動く可能性が高くなってきます。
さすがに今回ばかりはコンセンサスより下げてくることは無いとは思うものの、もし1%以上の利下げを行うようなことがあった時には急速に下げるリスクに注意が必要です。
チャートも見てみましょう。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)です。
先週の上げがかなり大きかったことがよくわかりますが、逆に値幅をともなっただけに悪材料が出て来た時には売りも出やすいと見ていた方が良いように思えます。昨年12月13日高値18.97と先週安値18.00の戻しを考えると現在の水準は61.8%戻しと78.6%戻しの間にあり、78.6%(61.8%の平方根)戻しとなる18.76レベルが今週の高値圏となりそうですし、また下方向は先週いったんもみあった18.40レベルから、昨年末の18.35レベルあたりはいったん下げ止まりやすい水準と言えそうです。今週は18.35レベルをサポートに、18.80レベルをレジスタンスとする動きを見ておきます。
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