ドル円、ついに109.70の抵抗帯を突破。心理的節目110円乗せが射程圏内に
海外時間の為替概況
13日(月)の海外市場でドル円は続伸。@中国の劉鶴副首相が米中第1段階合意署名を目的に訪米すること(米中協議の進展期待)や、A先週のトランプ米大統領演説以降、中東を巡る地政学的リスクが後退したこと、B上記@Aを受けて米株高・米長期金利上昇の流れが強まっていること、C一部メディアより米国が昨年実施した中国に対する「為替操作国」認定の解除を検討している旨が報じられたこと等が支援材料となり、ドル円は米国時間午後にかけて、5/30以来、約7ヶ月半ぶり高値となる109.94まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、109.91近辺で推移しております。
一方、ユーロドル相場は底堅い動き。@欧州時間序盤に発表されたドイツ・12月卸売物価指数(結果0.0%、前回▲0.1%)がマイナス圏を脱したことや、Aグローバルに広がるリスク選好ムードを背景に、ユーロ円買い→ユーロドル上昇(連れ安)の流れが加速したこと等が支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.1147まで上昇しました。しかし、市場参加者が注目する200日移動平均線を前に伸び悩むと、引けにかけて反落。本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.1138近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、リスク選好ムードを背景に約7ヶ月半ぶり高値109.94まで上昇しました。1/8に記録した安値107.64から僅か3営業日で2円30銭上昇した計算となります。この間、主要レジスタンスポイントである200日移動平均線や、一目均衡表転換線、一目均衡表基準線、一目均衡表雲上限、ボリンジャーミッドバンドを上抜けした他、昨年11月以降、幾度となく続伸を阻んできた強力な抵抗帯(レジスタンス)109.70の壁も突破しました。テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を意識させるチャート形状となりつつあります。目先は、昨年5/23以来となる心理的節目110円乗せが視野に入ります。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク、B米国ファンダメンタルズの冴えない結果、C米中貿易摩擦の再燃リスク(第1段階合意署名は予定通り行われる可能性が高いものの、第2段階合意の「後ずれ」が最大のリスク。米大統領戦後まで見送られることとなればドル売り再燃の恐れも)、D英国を巡る不確実性、E朝鮮半島を巡る地政学的リスク、F中東情勢の緊迫化(トランプ米大統領の演説を受けて緊張感が和らぐも油断は禁物)など、ドル売り・円買いを想起させる材料は沢山残っている状況です。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的に「力強さ」を見せつつも、ファンダメンタルズ的な「弱さ」が続伸を阻むシナリオが想定されます。目先は心理的節目110円を試す動きが予想されるものの、同水準の突破は容易ではなく(仮に一時的に突破したとしても110円台前半のストップをつけた後、反落に転じる恐れあり)、どんどん上値を追っていく展開にはならないと考えられます。米中及び中東を巡るヘッドラインや、米経済指標(今週のメインイベントの一つである米12月消費者物価指数)の結果を睨みながらも、本日はドル円が一巡後に反落に転じる展開をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:109.40ー110.20
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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