米株高に支えられ、ドル高継続か
<< 東京市場の動き >>
週明けの13日の東京市場は、小幅ながらドル堅調裡。上値も重いが、ほとんどの時間帯を109円半ば以上での推移となった。
先週末に実施された台湾総統選は、「蔡総統が過去最多得票数で再選」を果たす結果に。また、テヘラン近郊で8日にウクライナの旅客機が墜落した原因について、紆余曲折あったものの、最終的にはイランサイドが「人的ミス」、「誤射にて墜落させた」などとして全面的な謝罪を行っている。
そうしたなか寄り付いた週明けのドル/円相場は、前週末と大差ない109円半ばで寄り付いたものの、東京休場もあり全般小動き。実際、変動は20ポイント程度にとどまりながら「寄り付き安・大引け高」の展開で、ドルは堅調推移となった。先物取引されているNYダウや日経平均などが強含み。前者は80ドル高、後者も90円程度上昇したことが好感されていたという。16時時点でも、ドルは109.60-65円という高値圏をキープし、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「中東リスク」と「北朝鮮情勢」について。
前者については、「ウクライナ機墜落」に関し喧々諤々の話になるも、前述したように最終的にはイランサイドが「誤射にて墜落させた」として全面的な謝罪を行っている。ただ、これで幕引きされるかというと、やや微妙なところ。イランでは大規模な抗議デモが発生、それについてトランプ米大統領が「イラン情勢を世界がみている」などと発言し、当局らの弾圧を牽制していた。また、そののち「イラクで米軍のスタッフも駐留するバラド基地に対してロケット弾による攻撃が発生」−−との報道が観測され、再び緊迫した状況も。
対する後者は、北朝鮮の金桂冠外務省顧問が、トランプ氏から金朝鮮労働党委員長の誕生日を祝う親書が直接とどいたことを明らかにした一方で、「北朝鮮の要求を全面的に受け入れない限り、対話再開に応じない」姿勢を強調するコメントを発していた。
<< 欧米市場の見通し >>
中東情勢については、不安要因がなくはないが、トランプ氏が先日「軍事力行使はしたくない」と発言したこともあり、楽観論が支配的。それが日米などの株高に繋がり、ひいてはドル高にもなっているものと思われる。昨年12月の半ば以降、幾度となくドルの抵抗として寄与してきた109.70円レベルはかなり強い抵抗で、なかなか越えられないものの、仮にクリアすればいよいよ110円台乗せが現実のものとして意識されそうだ。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など注意すべき要因は依然として少なくない。うち「イラン情勢」については不安感が後退しているが、依然として米軍基地を狙ったとみられる砲撃などもあり、予断は許さないように思っている。また、13-15日に中国の劉副首相が訪米し、第1段階の合意文書にサインする見通しの「米中通商協議」の行方にも引き続き注意を払いたい。少し早いが、相場格言のひとつである「噂で買って、事実で売れ」の具現化を懸念する声も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、昨年12月に何度も上抜けを試すも越えられなかった109.70-75円に絡む値動きとなっている。超えれば当然110円トライが予想され、昨年高値112.40円を起点とした下げ幅の76.4%戻しは110円半ばだ。さらなるドル高の進行も否定出来ない。
対するドルのサポートは、109円前後に位置する移動平均の25日線、108.60円前後に位置する同200日線などとなる。
一方、材料的に見た場合、幾つかの米経済指標が発表されるものの、市場の関心はさほど高くないものばかり。基本的にはノーインパクトか。
それよりも、ボストン連銀総裁やアトランタ連銀総裁らによる講演内容に要注意かもしれない。また、前述したように本日から中国副首相が訪米することもあり、その一挙手一投足を警戒する向きもあるようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.20-110.00円。ドル高・円安方向は、昨年12月に幾度となくトライするも越えられなかった109.70-75円の壁をめぐる攻防にまずは注視。超えれば、いよいよ110円トライが現実のものに。
対するドル安・円高方向は、8日の欧米時間に109円台を回復して以降、しっかりと割り込めていない109円レベルが最初のサポートか。近くには25日線も位置している。かなり底堅い印象だが、ポジション的には徐々にロングが積み上がっていることが気掛かり。(了)
ドル円15分足
オーダー/ポジション状況
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