ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、上昇ウェッジを明確に下抜けランド安トレンドを継続しやすいと考え「7.40レベルをサポートに、7.65レベルをレジスタンスとする動き」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.45レベル、高値が7.75レベルと、想定していたレンジよりも10銭ほどランド高円安水準での推移となりました。
先週初は米軍によるイラン司令官殺害をきっかけに月曜早朝からリスクオフが先行、さらに水曜早朝にはイランがイラク国内の米軍施設を反撃したことで一気に緊張が高まり、月曜安値を下抜けたのですが、その後の両国の動きは想定外ともいえるスピードで更なる攻撃は双方ともしない流れで決着し、そこからのリスクオフの巻き返しでドル円、クロス円全般の動き同様にランド円もまた急速に買い戻しが進みました。
南アフリカ自体は地政学的には中東からは離れているものの、ドル円におけるリスクオフとその巻き返しの影響が大きく、ドル円とユーロ円、ユーロドルのような関係が、ランド円とドルランドでも見られた印象です。今回はイランが反撃したことによって中東における緊張の高まりが、私もその一人ですがしばらく続くのではないかと考えた市場参加者が多かったと考えられます。ところが、その日のうちに解決に至ったことで、一時的に売りに回ったにわかショート勢のストップがリスクオフの巻き返しを強める結果となりました。
米国がイランの反撃に対して更なる行動に出なかったのは、今週の米中通商協議合意署名(15日)を前に悪材料を長続きさせたくなかったということもあるでしょうし、来月には本格化する大統領選に向けての戦略であったでしょう。その後の金融市場は米国の主要株価指数は史上最高値と逆に下げがあったことによる急反発となりました。ホワイトハウスとしては上首尾といったところです。
さて今週ですが、週初からランド円はやや下げて始まっています。エスコムの会長が辞任の意向というニュースを嫌気した売りとなっていますが、今週は15日に消費者信頼感、小売売上高といった経済指標も出てきますので、弱い数字により反応しやすいという流れになりそうです。また最大の注目は16日の政策金利発表でしょうか。
コンセンサスでは現状維持(6.5%)となっていますが、昨年11月の会合では3対2で現状維持は決まったものの、2人は利下げを主張していましたので、その後の南ア国内の状況やエスコムによる計画停電が今年も続くであろうことを考えると、当初の2020年後半ではなく前半に利下げが前倒しされる可能性、またサプライズとして年初の段階で利下げする可能性も考えておいた方が良いかもしれません。
いずれにしても動きが出てくるとすれば、ランド売りの方向と思われます。15日に米中協議合意署名は既に織り込み済みで儀式的なものの過ぎないという見方で良いでしょう。
テクニカルな観点から4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
先週末まではまだ買いの流れを続ける可能性もあったチャートですが、週明けに下げて始まったことで既に年末に高値を見た感が強まっています。いっぽうで先週のイラン反撃時に安値を見ていることも間違いなさそうです。また先週の高値が年末の高値と先週安値の78.6%(61.8%の平方根)戻して抑えられたことで、上値は先週高値の方が現実的です。
そうなると、下げの動きは先週安値と高値の押しを考えることとなりますが、これも78.6%押しを考えると7.52となっていて、大きくは7.50以下では買いも出やすいと見てよいでしょう。来週は先週のレンジの中で上値の重たい展開を考え、7.50レベルをサポートに7.75レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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