ユーロドル1.11台近辺 11末からの上昇トレンド下限を割り込む
9日の東京市場でユーロドルは1.11台前半での小動き。日中のレンジは1.1102-20と狭かったものの安値は昨晩のNY安値と同値の安値圏での取引となっており、夕刻欧州勢参入後は一時1.1100を割り込む動きとなっています。
昨晩の海外市場では欧州時間の独サービス業PMIの悪化に加え、米国時間に発表されたADP雇用統計の改善にユーロ売りにドル買いが重なる形となり、加えてトランプ大統領が演説でイランに対するさらなる報復攻撃を行わない姿勢を示したことでリスク回避の動きが後退。米債券の売り戻しが長期金利の上昇につながりドル買い圧力に拍車をかけました。
そのため昨日朝方ユーロドルはイラクの報復攻撃でやや上昇して以降は、終始軟調推移。昨晩より1.11を試す動きとなり、本日東京時間19:00過ぎには1.1097の安値をつけています。
また、先ほど英国中銀のカーニー総裁が金融政策委員会が近い将来に金融緩和を行うメリットを議論していると述べ英ポンドが急落したこともユーロの頭を重くしています。
テクニカルにはユーロドルは、昨晩の下落で11月末以降維持してきたユーロの上昇トレンドの下限を割り込む状況となっており、また、200日移動平均線を上抜けかけた21日移動平均線もクロスする寸前で再び下方へ乖離するなど、ユーロ下落の形状が鮮明化しつつあります。
当面のユーロドルの下値目途は上昇トレンドの起点となった11/29安値1.0981から12/31高値1.1239までの上昇の61.8%戻し1.1080。その下は90日移動平均線が1.1067、一目均衡表の「雲」の上限が1.1063に控えます。一方レジスタンスは下抜けてきたトレンドラインの1.1130から21日200日線のある1.1140あたりまでが重くなってきています。
序盤の欧州株価指数先物はリスクセンチメントの改善にほぼ全面高。今晩この後はクラリダ副議長はじめFRB関係者の講演が散見されますが、あまり重要な経済指標等の発表は予定されていません。
ユーロドル日足
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