米中リスク後退で堅調推移。来週はクリスマス休暇で横ばい推移か
今週のレビュー(12/16−12/20)
今週の南アフリカランド円相場は、週初7.53円で寄り付いた後、週明け早々(南ア祝日「和解の日」)に、安値7.52円まで下落しました。しかし、12/13に記録した直近安値7.51円を前に下げ渋ると、中国の主要経済指標(鉱工業生産や小売売上高)が良好な結果を示したことや、米中合意成立を受けてグローバルにリスク選好ムードが広がったこと、フィッチが南アフリカの格付けをBB+で据え置いたこと(更なる格下げが見送られたこと)等が下支えとなり、週末にかけては、7/26以来、約5カ月ぶり高値となる7.72円まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、7.67円近辺で推移しております。
来週の見通し(12/23−12/27)
南アフリカランド円相場は、週を通して堅調推移が継続し、12/19には、約5ヵ月ぶり高値となる7.72円まで上昇しました。この間、強い買いシグナルを表す一目均衡表・三役好転や、強い上昇トレンド入りを示唆するバンドウォーク(上限)が継続するなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」が意識されるチャート形状となりつつあります。
とは言え、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムの負債問題(=政府の財政悪化懸念→ムーディーズによる南ア国債の格下げリスク)、B米中貿易摩擦の再燃リスク(米中協議はこれまでも楽観と悲観で二転三転)、Cムーディーズによる来年3月審査での格下げリスク(=2020年2月に予定されている南ア・予算発表で財政健全化見通しが示されなかった場合、翌3月に格下げが行われるリスクあり。格下げとなればWGBIからの除外を通じて、南アフリカ債券市場から大規模な資金流出が引き起こされる恐れ)など、不安材料は山積みです(現在は米中合意成立を受けて一時的に楽観ムードが広がっているに過ぎず、ファンダメンタルズ面での本質的な弱さは継続)。
以上の通り、南アフリカランド・円相場は、テクニカル的な強さが下値を支えつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが「続伸」を阻むシナリオが想定されます。ムーディーズによる格下げリスクが燻る中で、南アフリカランド円相場の上値余地は乏しく、当方では引き続き、一巡後の下落をメインシナリオとして予想いたします。但し、来週に限って言えば、12/24ー12/26の3日間が南アフリカの祝祭日となることから、市場参加者の減少が見込まれ、南アフリカランド円相場は狭いレンジ内で動意に欠ける展開となりそうです(※南アフリカの経済指標の発表も予定されておりません)。
南アランド円の予想レンジ ZARJPY 7.55ー7.80
南アフリカランド円日足
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2019.12.23
ランド円レポート月曜版(2019年12月23日)
1月初めの署名を目指している米中首脳ではありますが、まだその署名文書に100%の合意があるわけではなさそうだ、という点は気がかりな材料となっています。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2019.12.16
ランド円ショートコメント(2019年12月16日)
安値が7.31レベル、高値が7.63レベルと思った以上に動きが出たこと、しかもランドがかなり強い動きをした週となりました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。