トルコリラ円見通し 持ち合い下放れによる二段下げで18.30円台へ続落(19/12/20)

12月19日夜はドル円が日中高値109.67円から20日未明安値109.15円まで反落し、トルコリラ円は対ドルでのリラ安継続と円高の両面から売られた

トルコリラ円見通し 持ち合い下放れによる二段下げで18.30円台へ続落(19/12/20)

【概況】

トルコリラ円は12月20日未明に18.33円の安値をつけて10月17日以来の安値水準へ下落している。日足は12月13日から5日連続の陰線となっている。
今年10月末以降、高値で19円台を維持できず、18.80円前後が支持線となる持ち合いを1か月続けてきたが、持ち合い中の最安値である11月15日未明安値18.77円を12月7日未明への下落で割り込んで持ち合い下放れに入った。米中通商協議第1段階合意報道による円安を背景に12月10日夜安値18.64円から12月13日夜高値18.95円までいったん戻したが、12月13日夜から再び下落に転じて12月17日には12月10日安値を割り込んだ。
いったんは持ち合い下放れにブレーキがかかって戻したものの一段安となったため、持ち合い下放れによる下落は12月10日までを一段目とし、12月13日からは二段目の下げへと発展してきている。日足のボリンジャーバンドは持ち合いの煮詰まり状況を示すように収縮してきたが、12月10日への一段目の下落で膨張に転じ、その後もバンドの拡張がつづいている。

ドル円は米中の第1段階合意報道から12月13日に109.70円まで上昇し、その後は新たな高値更新へ進めずに109.50円を挟んで小規模な持ち合いに止まっていたが、その最中も対ドルでのトルコリラ安が進行したためにトルコリラ円は一段安を継続してきた。12月19日夜は米経済指標が軒並み予想を下回ったためにドル円が日中高値109.67円から20日未明安値109.15円まで反落し、トルコリラ円は対ドルでのリラ安継続と円高の両面から売られた格好だ。

【トルコリラの下落が際立つ】

ドル/トルコリラは12月19日高値で1ドル5.9448リラをつけて8月9日以降の高値を更新、10月15日高値5.9414リラを上抜いて5月以来7カ月ぶり高値水準となった。日足は12月13日から19日まで5日連続の陽線となった。10月15日高値から11月4日へ下落し、11月21日安値とダブルボトムを形成して上昇期に入ったのだが、11月21日から4日連続陽線、12月3日から5日連続陽線、そして12月13日からの5日連続陽線であり、10月高値を上抜いたことによりテクニカル面、市場心理面からはさらに高値追及の流れへ乗りやすい情勢となってきている印象だ。
メジャー通貨の加重平均であるドル指数は12月12日安値から反騰しているものの19日は小安く、新興国通貨ではドル安基調が多い中でトルコリラの下落感が際立っている。

ドル/バーツでは昨年8月からの下落(ドル安バーツ高)が継続しており、12月13日にこの間の最安値をつけている。資源通貨のドル/南アランドでも今年8月からの下落基調(ドル安ランド高)が継続しており、直近も12月10日の戻り高値から一段安入りしており、直近の7日間では5日が日足陰線(ドル安ランド高)となっている。
ドル/ブラジル・レアルも11月26日に史上最高値(レアルとしては最安値)をつけてから下落(ドル安レアル高)に転じて12月19日もこの間の安値を更新している。
これら新興国通貨、資源通貨と比較してもドル/トルコリラの上昇=リラ安が際立っている。際立つ動きは投機マネーにも狙われやすく、さらにドル高リラ安を追及する流れが拡大しかねないと警戒したい。

【日足における4か月周期のサイクル】

トルコリラ円は、日足レベルでは概ね4か月前後の底打ちサイクルで推移してきた。2018年5月23日底以降では、3か月後の8月13日安値、5か月弱の2019年1月3日安値、4か月目の5月9日安値、4か月弱の8月26日安値で底をつけてきた。また高値も昨年11月29日高値から4か月目の今年3月27日、4か月目の7月31日でピークをつけており、7月31日高値から3か月目となる10月30日高値と4か月目となる12月2日高値をダブルトップとしてこのサイクルの直近のピークをつけたと思われる。
4か月サイクルにおける次の安値形成期は8月26日安値を基準として12月後半にかけてと想定されるが、5か月目となる来年1月へ延びる可能性もある。またここ数日の下落が加速し始めているが、この4か月サイクルの安値形成期においてはボトム形成直前に下げが加速していることを踏まえると、底打ち感に至らないうちは売りのクライマックスにより急落商状に陥るリスクもあると警戒すべき時間帯と思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月13日夜高値をサイクルトップとして弱気サイクル入りしてきた。今回のボトム形成期は12月12日朝安値を基準とすれば17日朝から19日朝にかけての間と想定されたが、既にボトム形成期を超えて続落しているため、12月19日未明安値を直近のサイクルボトムとして既に底割れにより新たな弱気サイクル入りとなっている可能性が検討される。このため19日夕高値18.52円を超えない内は一段安警戒として24日から27日午前にかけての間へボトム形成期が伸びてゆく可能性を考えておく。

60分足の一目均衡表では12月16日の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したが、その後も両スパン悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とするが、遅行スパン好転からはいったん強気サイクル入りとみて先行スパン下限試し、あるいは先行スパン帯の下部へ潜り込む上昇を想定するが、遅行スパンが好転後に再び悪化するところからは下げ再開とみる。

690分足の相対力指数は12月18日夕刻から19日朝、20日未明への安値切り下がりに対して指数のボトムが切り上がり気味となっているため強気逆行から上昇に転じる可能性もあるが、50ポイントを超えて続伸するような反騰を見せられないうちはまだ一段安余地ありとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、12月20日未明安値18.33円を下値支持線、12月19日夕高値18.52円を上値抵抗線とする。
(2)18.45円以下での推移中は一段安警戒とし、安値更新からは18.20円前後への下落を想定する。18.20円以下は反発注意だが、18.40円以下での推移なら週明けも安値を試しやすいとみる。
(3)18.45円超えを強気転換注意とし、18.52円超えからは強気サイクル入りとみて18.60円前後への上昇を想定する。18.60円以上は反落注意とするが、18.52円を超えた後も18.45円以上での推移なら週明けも戻り高値を試す余地ありとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

12月20日
 16:00 12月消費者信頼感指数 (11月 59.9)
 19:30 11月自動車生産 前年比 (10月 0.7%)
 23:30 トルコ中央政府債務残 (10月 126.1億トルコリラ) 
12月26日
 16:00 12月景況感 (11月 102.00)
 16:00 12月設備稼働率 (11月 77.2%)
12月30日
 16:00 12月経済信頼感 (11月 91.3)
12月31日
 16:00 11月貿易収支(10月 -18.1億ドル)

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