トルコリラ円レポート月曜版(2019年12月16日)

予想よりも10銭ほど高いレンジでの取引となった一週間でした。

トルコリラ円レポート月曜版(2019年12月16日)

トルコリラ円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、材料的にもテクニカルにも下げやすい地合いを考え「18.55レベルをサポートに18.85レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が18.64レベル、高値が18.97レベルと、予想よりも10銭ほど高いレンジでの取引となった一週間でした。

先週のトルコリラ円は、前週までの流れを継続しトルコリラ売りが先行して週初のスタートを切りましたが、もっとも注目されるトルコ中銀の金融政策決定会合を12日に控えて、それまでは安値圏の狭い値幅でもみあいを続けていました。前週のCPIが若干低めだったこともあって、連続利下げが予想されコンセンサスは12.5%となっていました。結果はコンセンサスよりもやや下げ幅が大きく2%の利下げを実施して12%と4回連続の大幅利下げとなりました。

この直後からトルコリラがじり高となったのですが、これまで同様に良い意味でのインフレ低下による利下げであるという面と同時に、更なる緩和を求めるエルドアン大統領に対してトルコ中銀総裁が「中銀は物価の伸び鈍化や景気の持ち直しを踏まえ、積極的な緩和サイクルは終了に近づいている」との声明を出したことも大きかったようです。トルコリラはNY市場に入る段階で18.64レベルの安値から18.81レベルへと上げていました。

さらに、同日NY市場でトランプ大統領が米中合意近しとの発言を行い、株高と円安のリスクオン相場となり、ドル円の上昇に引っ張られて18.97レベルの高値をつけています。今回は利下げ後の声明がポジティブに捉えられ、さらにほぼ同じタイミングで円安に動いたことが予想以上にトルコリラ円を上昇させました。しかし週末の金曜には米中協議の合意署名は決まったものの、その直前に中国が内容に懸念をしめしたことと、トランプ大統領訴追可決の悪材料もあって、前日NY市場前の水準に押しての引けとなりました。

今週は主要国もトルコも大きなイベントを経過したこと、経済指標としては本日の失業率程度しか目立ったものが無いこともあって、基本的にはもみあいとなりやすい一週間です。来週以降はクリスマスから年末へと、今年の相場もほぼ終わりということになりますので、動きが出るのもそろそろ今年は終わりに近づいてきている様子です。

テクニカルに見ていきます。今週は日足チャートからご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版

8月のフラッシュクラッシュ以降はもみあいを継続していますが、ここ2か月ほどは10月安値18.18とその後の10月高値19.10の半値押し18.64を安値圏、19.10を高値圏とした動きとなっています。12月高値も19.10でしたし、先週安値は18.64と1銭の狂いも無い収まり具合です。この双方を抜けるまではもみあいは続くものと見てよいでしょう。

次にいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版 2枚目の画像

先ほどの上下の水準をピンクの水平線で示してありますが、現行水準はほぼその中央に近く、先週のレンジから見ると完全に半値18.81の位置です。今週はこの半値を中心として上下15銭程度の値幅でのもみあいを考え、18.65レベルをサポートに18.95レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

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