トルコリラ週報 『リスクオン相場継続もリラの上値は重たい。下落リスクに要警戒』(19/12/14)

今週のトルコリラ円相場は週後半にかけて一時19.01円まで上昇するも、直近高値19.02円に続伸を阻まれると、すぐに反落に転じました。

トルコリラ週報 『リスクオン相場継続もリラの上値は重たい。下落リスクに要警戒』(19/12/14)

リスクオン相場継続もリラの上値は重たい。下落リスクに要警戒

今週のレビュー(12/9−12/13)

今週のトルコリラ円相場は、週初18.83円で寄り付いた後、重要イベントを前にした様子見姿勢から狭いレンジ内での横ばい推移が継続しました(12/11に週間安値18.66円を記録)。注目されたトルコ中銀・金融政策決定会合では、@前回に続いて大幅利下げ(結果▲200bp、予想▲150bp)が実施され、政策金利である1週間物レポレートは14.00%→12.00%まで引き下げられました(※7月の利下げ開始以降、4会合連続。計1200bpの大幅利下げ)。但し、A声明文で積極的な緩和サイクルの終了を仄めかす文言修正(従来までの「現在の金融政策スタンスは大部分で予測されたディスインフレの経路と一致している」との表現から「大部分で(to a large part)」の部分が削除)が見られたことから、市場ではこれが利下げサイクルの打ち止めとみなされ、リラ売りでの反応は一時的なものに留まりました(予想を上回るサプライズ利下げを受けたリラ売り圧力と、追加利下げ観測の後退を受けたリラ買い圧力が拮抗した形)。

週後半にかけては、米中合意成立や英与党圧勝といった外部要因に下支えされ、トルコリラ円は一時12/3以来となる19.01円まで急伸する場面も見られました。しかし、12/3に記録した直近高値19.02円を前に伸び悩むと、週末海外時間にかけて再び反落。本稿執筆時点(日本時間朝5時00分現在)では18.81円付近で推移しております。

来週の見通し(12/16−12/20)

今週のトルコリラ円相場は週後半にかけて一時19.01円まで上昇するも、直近高値19.02円に続伸を阻まれると、すぐに反落に転じました。この間、200日移動平均線や、一目均衡表転換線、一目均衡表基準線を下抜けするなど、テクニカル的に見て「地合の悪さ」を印象付けるチャート形状となっております(米中合意成立や英与党勝利といったポジティブ材料があったにも関わらずトルコリラ円は19円台すら維持できず)。また、ファンダメンルズ的に見ても、@トルコ経済を巡る先行き不透明感や、A外貨準備急減を受けたリラ安防衛能力への不信感、Bトルコ中銀の追加利下げ観測(市場やエルドアン大統領による利下げ圧力)、C経済的な結び付きの強いドイツ経済の先行き不透明感、Dシリアを巡る地政学的リスク、Eロシアからの武器購入を巡る対米および対NATO同盟国との関係悪化懸念など、潜在的な不安材料は山積みです。

以上の通り、トルコリラ円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「上値の重さ」が警戒されます。状況次第では、12/12に記録した「大陽線」の早期・全値戻しの可能性も視野に入ります。12/16に発表されるトルコ・9月雇用統計や、12/20のトルコ・12月消費者信頼感指数を睨みながらも、来週はトルコリラ円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。

トルコリラ円の予想レンジ TRYJPY 18.55ー19.05

リスクオン相場継続もリラの上値は重たい。下落リスクに要警戒

トルコリラ円日足

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