トルコリラ円見通し 11月27日深夜安値からの切り返し続いて19円に再び到達(19/11/29)

ドル/トルコリラでのドル安リラ高基調が深夜まで続いたことで28日夜には28日朝高値を上抜く上昇となり、さらに28日深夜、29日朝と続伸して19円に到達している。

トルコリラ円見通し 11月27日深夜安値からの切り返し続いて19円に再び到達(19/11/29)

【概況】

トルコリラ円は11月21日夜高値19.07円で10月31日未明高値19.08円に迫ったものの高値更新へ進めず、下落基調につかまって11月25日朝安値で18.92円をつけ、戻り高値を切り下げつつ27日深夜には18.87円まで安値を切り下げてきた。
11月27日深夜安値からはドル円での円安加速とドル/トルコリラがドル高一服で反落(リラ高)となったことで18.95円まで戻した。その後28日朝に米国の香港人権・民主主義法成立報道からドル円が一旦下げたことに同調して18.88円まで下げたものの27日深夜安値割れには至らなかった。ドル円が元の水準へ戻り、ドル/トルコリラでのドル安リラ高基調が深夜まで続いたことで28日夜には28日朝高値を上抜く上昇となり、さらに28日深夜、29日朝と続伸して19円に到達している。
11月21日夜高値以降は戻り高値が切り下がってきたが、27日夜の戻り高値を超えたことで切り下がりパターンから脱却したことがテクニカル的な買いを助長している印象だ。

トルコ統計局が発表した11月の経済信頼感指数は91.3となり10月の89.8から改善、市場予想の90.9を上回った。同指数は昨年10月に75.2まで悪化していたがその後は持ち直し傾向が続いている。
11月21日に発表された消費者信頼感指数も59.9で10月の57.0から上昇しており、総じてトルコの景況感は改善傾向を見せている。

【概況】

ドル/トルコリラは11月22日から27日まで日足は4日連続陽線でドル高リラ安が続いてきたが、28日は5日ぶりに陰線となりドル安リラ高となった。11月27日深夜まではドル高リラ安で推移していたが、28日早朝のトランプ大統領による香港人権・民主主義法案への署名による成立が報じられたところでドル/トルコリラも下落、夕刻の経済信頼感指数も良好だったことで続落した印象だ。
27日高値で5.791リラをつけてからの反落だが、11月11日にも高値5.798リラから下落しており、5.80リラが戻りの抵抗となり、今回も抵抗破りは時期尚早としていったん下げに入っている印象だ。逆に言えば5.80リラを超える上昇となれば抵抗突破感からドル高リラ安が加速してトルコリラ円にも影響を与えると思う。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月25日朝安値から25日夕刻へいったん反騰した後に25日朝安値を割り込んだため、26日午前時点からは21日夜と25日夕の両高値をダブルトップとした弱気サイクル入りとして28日朝から12月2日朝にかけての間への下落を想定してきたが、11月28日夜の上昇で戻り高値切り下がりパターンから脱却してきたため、27日深夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとする。
トップ形成期は28日夕刻から12月3日午後にかけての間と想定されるので既にサイクルトップをつけての反落注意期に入っているが、18.95円を上回る内は上昇余地ありとみる。18.95円割れから続落の場合は弱気転換注意とし、18.93円割れからは弱気サイクル入りと仮定して次のボトム形成期となる12月2日夜から4日深夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では28日夜の上昇で遅行スパンが好転し、深夜への続伸で先行スパンも上抜いている。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とする。9本転換線を割り込んでも切り返す内は上昇余地ありとするが、転換線割れの状況が続く場合は弱気転換注意とし、遅行スパン悪化からは下げ再開として先行スパンから転落するかどうかを試しにかかるとみる。

60分足の相対力指数は28日夜からの上昇で70ポイントに迫っている。70ポイント以上は反落警戒圏だが、まだ相場の高値更新に対する指数のピークが切り下がる弱気逆行はみられない。いったん小反落した後に高値を更新する際に指数のピークが切り下がる弱気逆行が発生する場合は下げ再開を疑い、50ポイント割れからは下げ再開とみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、18.95円を下値支持線、19.03円を上値抵抗線とみる。
(2)18.95円を下回る内は上昇余地ありとみる。19.03円前後は戻り売りも出やすいとみるが、超える場合は19.05円試しへ上値目処を引き上げる。ただし、19.03円以上は反落警戒圏としてその後の19円割れからは下げ再開を疑う。
(3)18.95円割れから続落の場合は下げ再開注意とし、18.93円割れからは下げ再開とみてまず27日深夜安値18.87円試しへ向かう流れとみる。18.88円以下は反発注意とするが、18.93円以下での推移なら週明けも安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

11月29日
16:00 10月貿易収支 (9月 -20.6億ドル)
 20:00 トルコ中銀財政安定レポート
12月02日
 16:00 7-9月期GDP 前年同期比(前期 -1.5%)
 16:00 7-9月期GDP 前期比(前期 +1.2%)
 16:00 11月製造業PMI (10月 49.0)
12月03日
 16:00 11月消費者物価指数 前年同月比 (10月 8.55%)
 16:00 11月消費者物価指数 前月比 (10月 2.00%)

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