トルコリラ円見通し 11月21日夜高値以降の下落基調続く、対ドルでのトルコリラ安が重石(19/11/28)

27日深夜安値から28日未明にかけてはドル円が一段高したことで反発したが、28日朝のドル円反落と合わせて反落している。

トルコリラ円見通し 11月21日夜高値以降の下落基調続く、対ドルでのトルコリラ安が重石(19/11/28)

【概況】

トルコリラ円は11月21日夜高値19.07円で10月31日未明高値19.08円に迫ったものの高値更新へ進めずにその後は下落基調につかまっている。今週も週明けの11月25日朝に18.92円まで反落したところから25日夕刻には19.06円まで一旦戻したものの25日深夜には18.92円まで一段安となり、さらに27日深夜安値18.87円まで安値を切り下げている。27日深夜安値から28日未明にかけてはドル円が一段高したことで反発したが、28日朝のドル円反落と合わせて反落している。

【ドル円での円安よりも対ドルでのリラ安が重石】

ドル円は11月21日午前安値108.26円が11月15日未明安値108.24円に迫ったが底割れを回避してダブル底を形成して上昇に入り、米中通商協議の進展期待を背景に11月26日午前に109.20円へ上昇、さらに27日夜には米GDPの上方修正や耐久財受注が予想を上回ったことで株高ドル高が進行して28日早朝には109.60円まで大幅上昇した。
ドル円を始めとするクロス円全般での円安基調が本来ならトルコリラ円にも波及してよいところなのだが、それよりもドル/トルコリラでのドル高リラ安が勝っているため、11月21日以降はドル円における円安ドル高基調と逆行してトルコリラ円は下落傾向で推移している。また為替市場全般がリスク回避的な反応に陥ってドル安円高となる場合も円高圧力が勝ってトルコリラ円にも下落圧力がかかる。
ドル/トルコリラは11月22日から27日までの4営業日を連続の日足陽線で上昇=ドル高リラ安となっている。

メジャー通貨の加重平均であるドル指数が11月18日へ小反落した後に切り返して10月21日以降の上昇基調を継続しているが、メジャー通貨以外でも米国の貿易相手国全体に対するドル指数も2018年2月以降の長期的な上昇トレンドを継続している。トランプ政権誕生以降の米国第一主義と米中貿易戦争を中心とする保護主義が新興国景気の足を引っ張り、結果的に米国有利な中でドルの上昇基調も続いているのだが、最近の中国経済指標の悪化等により実体経済への影響、成長鈍化懸念が強まっていることが新興国通貨安にも顕著となりつつある。ブラジルのレアルが対ドルで史上最安値を更新していることもそうした背景を示している。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月25日朝安値から25日夕刻へいったん反騰した後に25日朝安値を割り込んだため、26日午前時点では25日朝安値を直近のサイクルボトムとし、21日夜と25日夕の両高値をダブルトップとして底割れによる弱気サイクル入りとした。またボトム形成期を28日朝から12月2日朝にかけての間と想定した。
11月27日深夜へ安値を切り下げ、その後の小反発からも再び失速しているので、まだ一段安余地ありとみる。ただし前回サイクルボトムから3日を経過しているのでボトムをつけての反発注意期に入るため、27日夜の戻り高値18.96円を超える場合は強気転換注意とし、19円到達からは強気サイクル入りとして28日夕刻から12月3日午後にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では28日未明への上昇時に遅行スパンが一旦好転したがその後の反落で再び悪化している。また先行スパンへ潜り込んだものの再び転落している。このため遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。強気転換は両スパン揃って好転するところからとし、その場合は遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は28日未明に60ポイントに迫ったが失速している。25日以降は40ポイント割れを切り返してきているが、相場が反騰しきれずに推移しているため、50ポイント台を回復できない内は30ポイント前後試しへの低下をともなった一段安も警戒される。上昇再開に入るには60ポイント以上への上昇する必要がありそうだ。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、11月27日深夜安値18.87円を下値支持線、27日夜高値18.96円を上値抵抗線とみる。
(2)18.96円を下回る内は一段安余地ありとし、27日深夜安値割れからは18.80円前後への下落を想定する。18.80円以下は反騰注意とするが、18.90円以下での推移なら29日にかけても安値試しを続けやすいとみる。
(3)11月27日夜高値超えから続伸の場合は上昇再開の可能性ありとして19円試しを想定する。19円では再び戻り売りにつかまりやすいとみるが、19円超えから続伸の場合は25日夕高値19.05円試しまで上値目処を引き上げる。また19円台をつけた後も18.95円以上での推移なら29日も戻りを試しやすいとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

11月28日
 16:00 11月経済信頼感 (10月 89.8)
11月29日
16:00 10月貿易収支 (9月 -20.6億ドル)
 20:00 トルコ中銀財政安定レポート
12月02日
 16:00 7-9月期GDP 前年同期比(前期 -1.5%)
 16:00 7-9月期GDP 前期比(前期 +1.2%)
 16:00 11月製造業PMI (10月 49.0)
12月03日
 16:00 11月消費者物価指数 前年同月比 (10月 8.55%)
 16:00 11月消費者物価指数 前月比 (10月 2.00%)

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