トルコリラ円見通し 10月31日高値に迫るも、やはり19円台維持は厳しいか(19/11/25)

週明け25日早朝には18.92円まで下落してからやや戻している。

トルコリラ円見通し 10月31日高値に迫るも、やはり19円台維持は厳しいか(19/11/25)

【概況】

トルコリラ円は11月15日未明への円高局面で18.77円の安値を付けてからは上昇基調を継続し、11月19日に18.84円まで小反落した後も切り返して19円台を回復、20日未明に19.04円、21日早朝には19.06円、21日夜には19.07円を付けて10月31日未明高値19.08円に迫ったが、わずかに届かずに22日夜には19円を一旦割り込み19.00円丁度で先週を終えた。週明け25日早朝には18.92円まで下落してからやや戻している。

ドル円は11月21日午前安値108.24円から18日に109.07円までいったん戻したものの再び失速して21日には108.26円まで下げ、15日安値108.24円割れは回避したものの小動きに止まっている。ドル円が小動きのなかで、ドル/トルコリラは11月からのドル安リラ高を継続したために21日まではトルコリラ円が高値を試す展開となったようだ。

トルコリラ円は10月31日未明高値を超えればダブルトップ破りによりチャート的には一段高へ進むきっかけとなるところだったが、ダブルトップ破りへ進むには押し上げ材料不足となり、11月22日はドル円が小動きのなかでドルストレートでのドル反発によりドル/トルコリラでもドル高リラ安となってダブルトップ破りには至らなかったという印象だ。

ドル/トルコリラは8月9日から10月15日までドル高リラ安で推移した後はドル安リラ高に転じ、11月4日から11月11日までドル高リラ安の戻りを入れてからはドル安リラ高基調に戻り、11月21日には5.68リラまで下げて11月4日安値5.67リラに迫ったものの底割れによるドル安リラ高の加速には入らずに22日はドル全般の上昇で底割れ回避に週を終えた。
トルコリラ高を支えていたイスタンブール100指数も11月15日から19日へ3連騰したもののその後は小反落でトルコリラ高の援軍としては力不足に終わった。

【ダブルトップ破りかダブルトップで終わるか、まだ試し中】

10月30日以降は18.80円前後を下値支持線とし、19円台を維持できない範囲での持ち合い相場となっているが、その中でも11月15日未明へやや戻り高値を切り下げて持ち合い中の安値をつけてから持ち合いの高値である19.08円へ迫ったため、11月15日安値をダブルトップの底として、19.08円を上抜くところからはダブルトップ破りによる一段高入りとなる可能性がある。しかし19.08円を上抜けないか、わずかに上抜いても再び19円割れから急落に入れば持ち合い相場の継続ないしは10月1日以降の上昇巡による下落再開となる可能性も抱えている。

10月31日高値を超えて続伸し始める場合はダブルトップ破りによる一段高入りとして10月1日高値19.15円、さらに高値更新へ進む可能性も出てくるが、そのためにはクロス円全般での円安が進むか、対ドルでのトルコリラ上昇がもう一歩進む必要がある。先週はいずれも決め手に欠いたためには決着がつかなかったようだ。特に米中貿易戦争問題での進展報道については第一段階合意に至るのか決裂するのか、双方の報道が交錯したために金融市場全般の方向感が定まらなかった事も影響している。

トルコを巡る独自様相としてのシリア・クルド情勢についてはトルコの停戦宣言とロシアとの共同パトロール実施により一息ついている。シリアのトルコ占領領域での爆発事件等は継続しているものの、戦争拡大的な緊張感は再燃していない。また米国との対立についても11月13日の両国首脳会談後も特に緊張が高まる状況にはない。
このため、世界の株式市場が楽観優勢で上昇すればイスタンブール100指数も上昇し、ドル円が大きく崩れなければ対ドルでトルコリラは上昇しやすいのだが、世界の株式市場全般における楽観も先週はややブレーキがかかっており、対ドルでのリア高も行き詰まり気味となっている。

【概況】

トルコリラ円4時間足

【当面のポイント】

当面のポイントは、10月31日未明高値を上抜けるかどうかに尽きると思う。
(1)当初、18.90円を下値支線、21日夜高値19.07円を上値抵抗線とみておく。
(2)19円を回復し、その後もわずかに19円を割り込んでも切り返すなら上昇余地ありとし、10月31日高値超えからは10月1日高値19.15円試しを想定する。19.10円以上は反落警戒とするが、19円台を維持するうちは一段高余地ありとする。
(3)18.90円割れからはいったん下げに入るとみてまず11月19日安値18.84円試し、さらに11月15日未明安値18.77円試しへ向かうとみる。11月15日未明安値を割り込む場合はダブル天井形成により下落が長期化する可能性が高まると注意する。

【最近のトルコ・シリア情勢推移】

10月14日 米国がトルコに経済制裁発動
10月23日 トルコが米国提案の恒久的停戦を受け入れ、米国のトルコ制裁解除
10月27日 トランプ大統領、IS指導者バグダディ氏殺害を報告。
10月29日 米下院によるトルコ制裁決議可決
11月01日 トルコとロシア、シリア北東部の合同巡回開始
11月11日 トルコ政府、IS戦闘員の本国送還を開始
11月13日 トランプ米大統領とエルドアン大統領がワシントンで首脳会談
11月23日 トルコ国防相、米国がF35売らないなら別の道を選択
11月23日 第14回シリア保証国会議を12月10-11日に開催

【当面の主な経済指標等の予定】

11月25日
 16:00 11月景況感指数 (10月 100.9)
 16:00 11月設備稼働率 (10月 76.4%)
11月28日
 16:00 11月経済信頼感 (10月 89.8)
11月29日
 16:00 10月貿易収支 (9月 -20.6億ドル)
 20:00 トルコ中銀財政安定レポート
12月02日
 16:00 7-9月期GDP 前年同期比(前期 -1.5%)
 16:00 7-9月期GDP 前期比(前期 +1.2%)
 16:00 11月製造業PMI (10月 49.0)
12月03日
 16:00 11月消費者物価指数 前年同月比 (10月 8.55%)
 16:00 11月消費者物価指数 前月比 (10月 2.00%)

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