中期財政計画に注目。財政悪化→格下げリスク→ランド売りへの波及に警戒
今週のレビュー(10/21−10/25)
今週の南アフリカランド・円(ZARJPY)相場は、@10/19の英議会審議で採決が見送られたことに伴うリスク回避的な円買いが重石となり、週明け(10/21)海外時間に、安値7.296円まで下落しました。しかし、一目均衡表雲上限に下支えされると、A10/22にエスコムに対する590億ランドの追加融資を行う特別歳出予算案が承認されたことや、B10/23に発表された南ア・9月消費者物価指数(結果4.1%、予想4.3%)でインフレ鈍化が確認されたこと、C来週10/30に予定されている中期財政計画への期待感が支援材料となり、週末にかけては、約2ヵ月半ぶり高値7.461円まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局、7.426円付近での越週となっております。
来週の見通し(10/28−11/1)
今週の南アフリカランド・円相場は、一目均衡表雲上限に下支えされる形で反発に転じました。強い買いシグナルを表す三役好転も出現するなど、テクニカル的にみて「続伸」を期待させるチャート形状となりつつあります。9/13高値7.459円を突破できたことで、ダウ理論的に見ても、昨年来続いてきた中期下落トレンドの終焉(上昇トレンドへの転換)が意識されます。但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る減速懸念や、A国営電力会社エスコムの負債問題(=政府の財政悪化懸念)、B米中対立激化を背景とした南アフリカ最大の貿易相手国「中国」の景気下触れ懸念、C大手格付け機関の中で唯一投資適格級を付与しているムーディーズによる格下げリスクなど、不安材料は山積みです。
以上の通り、南アフリカランド・円相場は、テクニカル的に持ち直しの兆しが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。事実今週も、直近高値7.459円を抜けた後に伸び悩む展開となりました。背景には、11/1に迫るムーディーズによる定例格付け見直しを前に、積極的に上値を追いづらいムードが挙げられます。市場では、格下げか否かを予測する上で、来週10/30に予定されている中期財政計画に注目が集まっております。エスコムを含む国営企業改革案で大幅な財政悪化見通しが示されれば、「格下げリスク→南アランド売り」の流れが強まる可能性もあり、来週は南アランドの反落に注意が必要でしょう。
来週の予想レンジ ZARJPY 7.200ー7.600
南アフリカランド円 日足
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2019.10.28
ランド円レポート月曜版(2019年10月28日)
週初はスローなスタートを切りましたが22日にエスコムに対する追加支援が決まったことからややランド買いが入った格好です。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2019.10.21
ランド円ショートコメント(2019年10月21日)
安値が7.22レベル、高値が7.37レベルと想定通りではあったものの静かな値動きの一週間となりました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。