<< 東京市場の動き >>
週明け21日の東京市場は、ドルが小高い。ただ、108円前半から半ばという狭いレンジ取引で、ドルの強さはそれほどうかがえなかった。
前週末の19日、動静が注視されていた英下院において、EU離脱法案がまさかの「採決先送り」に。これにより、ジョンソン英首相は否定するが、10月末離脱はかなり困難になった感がある。
そうした状況下、寄り付いた週明けの為替市場でポンドは弱含み。対円では140円台で寄り付いたのち、一時139円半ばまで値を崩す局面も観測されていた。ただ、そののち買い戻されると140円台を回復するなど、結局「行って来い」。
それに対してドル円は、先週末のNYクローズと大差ない108.40円前後で寄り付いたのち、ポンド円の下げなどに連れ安で日中安値108.25-30円へと小緩んだ。しかし、徐々に買い戻されると、寄り付きを超える108.55円レベルまで反発し、16時時点ではそのままドルの高値圏で推移、欧米時間を迎えている。
材料的に注視されていたものは、「英国情勢」について。
土壇場までもつれたものの、英国とEUのあいだで「離脱合意が成立」。しかし、次の関門と見られた英下院議会での採決で、またもやつまずく結果となった。「採決先送り」の決定により、英国内法で定められている「EUへ10月末からの離脱延期申請を行う」ことが不可避となり、EU大統領によれば、すでにその旨の申請書類がジョンソン英首相から提出されたようだ。
ただ、一部報道によると、提出書簡にはジョンソン氏の署名が書かれていないうえ、書簡とは別に「延期は誤っていると信じている」と明記した添え状が一緒に送付されていたという。実現は厳しくなったが、いまだに「10月末の離脱」を強く公言しているジョンソン氏の精一杯の抵抗であったのかもしれない。
<< 欧米市場の見通し >>
先週末の当稿で懸念していたことが現実に。先週のドル円週間レンジはわずか90銭、一度も108円台から離れることは出来なかった。そして、その流れを継ぐ格好で、本日東京もドル円は108円前半から半ばでの推移となっている。いずれにしても、目先の方向性は欠いている状況にあるといわざるを得ない。まずは、先週からのレンジ取引、108円台での動きを如何にして、どちらの方向に抜けていくのか、次の一手が注視されている。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」、「トランプ氏のウクライナ疑惑」さらに「トルコ情勢」など注目要因は少なくない。それぞれ注意すべきところはあるものの、短期的には「英国情勢」と「米ファンダメンタルズ」ならびに「金融政策」に、とくに注意を払いたい。
なお、前者の「英国情勢」については、前述したように10月末のEU離脱が厳しい状況となっているが、EU大統領は自身のツイッターで「どう対応するかEU加盟国の首脳と協議を始める」と指摘するなど、前向きな姿勢もうかがわせている。ともあれ、今週もまずは「英国情勢」に一喜一憂、相場の変動を牽引することになりそうだ。
テクニカルに見た場合、本日東京で108.25-30円まで下落し、先週末安値を割り込むも依然としてレンジ内。1週間以上も108円台、108.04-94円にとどまっており、まずは足もとのレンジブレークの方向性などが注視されている。
ちなみに、上抜ければ8月高値109.32円がターゲットとなる反面、下値を割り込めば複数のテクニカルポイントが位置する107円半ばが意識されそうだ。
近日中は、とくに目立った米経済指標の発表は予定されておらず、手掛かり材料難によるレンジ取引継続も予想されるが、ボウマンFRB理事による講演やカナダ総選挙といった要因が観測されており、それらには要注意。
また、明日の「即位礼」に向け、続々と来日する世界の要人と安倍首相がマラソン会談を早くも始めており、実際すでにミャンマーのスー・チー国家最高特別顧問とは会談を済ませたようだ。今後も関連の動きにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のド/円予想レンジは、108.10-108.90円。ドル高・円安方向は、強い抵抗となると、先週高値の108.94円だが、その手前にも幾つか弱い抵抗が存在している。109円台は近くて遠いものである気もしないではない。
対するドル安・円高方向は、本日早朝に示現した108.25-30円をめぐる攻防が注視されている。割り込んだ場合には先週安値108.04円がターゲットに。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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