ランド円レポート月曜版
(*編集部注 執筆者依頼により大幅に画像・文書を修正しています10/15 8:17)
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、テクニカルにはやや下押しが続きやすいと考え「6.90レベルをサポートに7.15レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が6.98レベル、高値が7.19レベルと、前週安値を1銭下回る程度で底固めをして、強い地合いでの週末クローズとなりました。
先週のランド円は、最大の貿易国である中国が米国とどのような形で通商協議を行うのか、週を通して次官級、閣僚級と協議が続くため、それを見守る一週間となりました。南ア国内の経済指標等もありましたが、ほぼ米中間の動向を見守っていたと言ってよいでしょう。週初は中国が協議範囲を狭めることを提案したことに米国が難色を示し、さらには次官級の協議段階で話がまとまらない可能性が強まったことを嫌気して売りが先行しました。
しかし、その後米国が部分合意でまとめようとする方向に方針を変えた様子が見受けられ、市場参加者も米中部分合意の可能性を好材料として考えるように変化していました。木曜段階で週初の水準を回復、その後金曜のNY市場ではホワイトハウスでトランプ大統領が中国の劉副首相と会談し部分合意でまとまったことから、リスクオンによる円売りの動きも重なってランド円はほぼ高値引けとなりました。
金曜NY市場では米中協議の部分合意がランド買い材料とされたことしか特段のニュース材料はありませんが、後述するテクニカルな要因が大きかったように思います。
部分合意とはいえ協議決裂で制裁関税発動よりははるかに良いのですが、これまでの第3段までと第4弾の一部の関税に対して報復関税が適用されなかっただけで、これまでの関税はそのまま継続、今後の協議を待たないと米中双方にとって決してよい話とも言えないわけで、ランド円の大幅高も、やや行き過ぎ感があると考えています。
今週は南ア関連では小売売上高程度で目立った材料がありません。直接的な影響は少ないとはいえ世界の市場参加者が注目するブレグジットの行方、それがランド円のドル円にどのような影響を与えるかの方が材料としては気にすべきと言えます。
ランド円は一気に上げてきたため、テクニカルにはやや変化が出てきました。今回は日足チャートからご覧ください。
南アランド円日足
9月中旬以降の下げは10月に入りダブルボトム状の底打ちパターンとなって、今朝大きく上げたことで7月高値からのレジスタンスラインを上抜いてきたことがわかります。さらに上には2018年高値からのレジスタンスラインが引いてあるのですが、まだ距離は大きく現状では7.55円近辺を緩やかに下げている段階です。11月1日のムーディーズの格付けで現状維持となれば、その時点で7.50円に位置していますので、その時の水準次第で考えてもいいという程度でしょう。
ただ、7月からのレジスタンスを抜けてきたことで現状は、このレジスタンスがサポートとなりやすいという視線でいつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
ランド円、ドルランド、ドル円四時間足
日足チャートの7月からのレジスタンスを引いてありますが、上抜けしていることがわかります。現時点で7.25円水準にこのレジスタンスがサポートラインとして位置していることになります。いっぽう上値は9月戻り高値7.45と先週安値6.98との78.6%(61.8%の平方根)戻しとなる7.35で今のところは抑えられています。ここを抜けたとしても新たな材料なしには9月高値を抜ける動きは難しいと考えられます。
すると、コアレンジとしては7.25〜7.35、さすがにそれではレンジとして狭すぎるでしょうから、急速に上がった反動の下げを考慮して7.20レベルをサポートに7.40レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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