ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、テクニカルに引き続き上昇傾向を続けやすいと見て「7.10レベルをサポートに7.40レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.18レベル、高値が7.45レベルと予想よりも若干底堅い展開となりました。
先週のランド円は、10月に予定されている米中通商協議に対して楽観的な見通しが広がり、リスクオンの動きとともに南アにとって最大の貿易国である中国の好材料という見方がランド円を続伸させる結果となりました。また、もうひとつ大きな材料として10日にムーディーズが「財政リスクや経済改革を巡る政治的な制約は既に現在の格付けに反映されている」、「格付けを維持できるかどうかは経済改革のペースにかかっている」との見方を示しました。
前者の米中間の思惑の好転、逆転はこれまでに嫌というほど見てきましたので、10月の再協議で合意という2文字を見るまでは安心できません、と言いたいところですが市場参加者が楽観的になっているため、トレンドに逆らうわけにはいきません。それよりも久しぶりに格付けに対して言及したムーディーズが相変わらず南アフリカに対して好意的な見方をしていることは圧倒的な好材料となっています。
さすがに、世界的な景気減速懸念の状況下、南アフリカがジャンク(投資不適格)となり、大規模な資金流出が起きるリスクを考えると、ムーディーズとしても不用意な悪材料を示すことははばかられるのでしょうが、ポジショントークではないかと思わせるほどの扱いという印象です。南アフリカの潜在的な部分を評価しているのでしょうが、次回11月の格付け見直しまでラマポーザ大統領率いる南ア政府次第という点では、特に大統領と財務相に対する肩の荷は重そうです。
そして今週はいくつかの経済指標がありますが、最大の注目材料は南ア中銀の政策金利発表です。19日(時間未定)ですが、現状維持の6.50%がコンセンサスとなっていて、サプライズも無さそうです。それよりも19日は未明にFOMC、昼頃に日銀会合結果発表と日米の金融政策イベントでドルと円との動きの方が気になるというところではないでしょうか。
そして週末のサウジアラビアへの攻撃ですが、週明けのドル円でのリスクオフの動きに沿ってやや水準を下げていますが、最近の上昇相場の中では逆に健全な押し目となっていますし、先週はランド上昇の中で本邦個人投資家も一定量の利食いに動いていましたので、下がったところでは改めて押し目買いが入りやすくなったとも言えるでしょう。
テクニカルな観点から、まず日足チャートをご覧ください。
南アランド円日足
7月高値も8月安値も当面は上下を固めてくる水準に位置しています。そして、これらの両水準の61.8%戻しが、ほぼ金曜高値と重なりました。いったん達成感も出やすいと同時に、次は7.50、そして78.6%(61.8%の平方根)戻しとなる7.58(赤のターゲット)を目指す流れにあると考えられます。
そして、いつもの4時間足チャート((上からランド円、ドルランド、ドル円)です。
ランド円、ドルランド、ドル円 4時間足
チャート上端に近いところにある水平線が7.58のターゲットです。これまでの速度を維持できれば今週末にピンクの平行線で示した上昇チャンネルとぶつかります。引き続き、この上昇チャンネルの中での動きを継続、と今週も見てよさそうです。今週は7.25レベルをサポートに、7.55レベルをレジスタンスとする週を見ておくことにします。
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