米中通商協議再開期待と格下げリスク後退で南アランドは急上昇』
今週のレビュー(9/9−9/13)
今週の南アフリカランド・円相場(ZARJPY)は、週初7.215円で寄り付いた後、早々に週間安値となる7.213円まで軟化しました。しかし、@米中通商協議再開への期待感からグローバルにリスク選好ムードが強まると、A格付け会社ムーディーズのアナリストによる「2019年後半の南ア経済は上向くと予測」「南ア債のジャンク債への引き下げは現時点で可能性が低い」との発言も支援材料となり、週末にかけて、8/1以来、約1ヵ月半ぶり高値となる7.452円まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、結局7.414円近辺での越週となっております。
来週の見通し(9/16−9/20)
南アフリカランド・円相場は、週後半にかけて急伸し、一目均衡表「雲上限」を突破しました。@強い買いシグナルを表す「三役好転」が点灯したこと、Aトレンドの方向性を示唆するボリンジャーミッドバンドを11営業日連続で上回っていること、B強い上昇トレンドを示唆するバンドウォーク(上限)が発生していること、C年初のフラッシュクラッシュ時に付けたチャートポイント7.244円を上方ブレイクしたことなどを踏まえると、南アフリカランド・円相場の上昇モメンタムは極めて強いと判断できます。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ最大の貿易相手国である中国を巡る懸念(米中貿易摩擦)が和らいでいる他、Aムーディーズによる格下げリスク(※定例格付け見直しは11/1に実施予定)も後退しました。B南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、C国営電力会社エスコムの負債問題など、不安材料は燻るものの、しばらくはリスク選好ムードに下支えされる形で、ネガティブニュースに反応しにくい相場展開が続きそうです。
以上の通り、南アフリカランド・円は、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも「続伸リスク」が警戒されます。9/16に発表される中国の主要経済指標(小売売上高や鉱工業生産)や、9/18の南ア・8月消費者物価指数及び、南ア・7月小売売上高、9/19の南アフリカ中銀(SARB)政策決定会合(※政策金利は6.5%で据え置かれる見通し)、9/18-9/19の米FOMC、9/19の日銀金融政策決定会合などの結果を睨みながらも、来週は8/1高値(7.619円)や200日移動平均線(7.641円)を試す動きを予想いたします。(来週の予想レンジ ZARJPY 7.250ー7.650)
南アランド円日足
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