ランド円レポート月曜版(2019年9月2日)

アルゼンチン国債が暴落するなど、新興国の国債に対する見方は着実に厳しさを増していると言えるでしょう。

ランド円レポート月曜版(2019年9月2日)

ランド円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、多少下方向に余裕を見て「大台7.00をレジスタンスに、6.60レベルをサポートとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が6.76レベル、高値が7.01レベルと相変わらずの狭いレンジでしたが、思った以上に底堅い展開となりました。

先週のランド円は、前週引け後のトランプ大統領による対中報復関税発表を受けて、週明けの新興国通貨市場が懸念されましたが、トルコリラ円がフラッシュクラッシュの再来となる一方で、ランド円は早朝市場では売りが先行したものの、年初来安値をわずかに下回る程度で、その後は反転することとなりました。

前週末の引け後に発表された対中報復関税発表後に9月中にも米中協議再開の提案が中国側からなされたことを受け、いったん米中貿易摩擦一段の激化はリスクオフのテーマから外れたのですが、これまで協議再開と物別れを繰り返してきた米中両国のことを考えると、これだけでもって楽観的になることは出来ません。しかし、他市場同様にランドでも売りは続かず、週初安の週末高という動きとなりました。

ただ、昨日1日からは第4弾制裁関税の一部が発動されていますので、米中だけでなく世界的な景気減速懸念は、わずかでもこれまで以上に強まることは間違いありません。中国が最大の貿易相手国である南アフリカにとっても米中通商協議再開の行方を見守るしかないと言えるでしょう。

また南ア国内の材料としては先週発表されたPPIは予想よりもかなり弱く、将来的な利下げ材料のひとつになりそうです。また今週は火曜にGDP、木曜に経常収支の発表がありますので、国内要因としてはこの2つが、そして月初ということもあって米国雇用統計以外にも中国の製造業とサービス業のPMI発表など、連日のように影響の出そうな経済指標には事欠きません。ファンダメンタル面では、細かくどちらにも動きうるというところです。

テクニカルには先週も年初来安値をわずかに更新する動きとなり、地合いは決してよくありません。今週はランド円週足チャートの下にドルランドも示したチャートをご覧ください。

ランド円レポート月曜版

ランド円週足/ドルランド

ランド円は既に2016年7月の水準に下げていますが、対ドルではまだ昨年のランド安値(ドル高値)には到達せず、2016年からのレジスタンスライン(下段青のライン)で上値を抑えられています。ここを抜けるような動きになり、明確に昨年のドル高値を抜けてくる時には、対ドル、対円ともに一段のランド安の動きに繋がってきそうですが、おそらくは米中協議がカギを握っているといえるでしょう。


いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。

ランド円レポート月曜版 2枚目の画像

4時間足ランド円/ドルランドドルランドドル/ドル円

緩やかに高値を切り下げてはいますが、ほぼ横方向の動きとなっています。8月以降はほぼ6.80レベルを安値に7.05レベルを高値とする流れです。米中協議の行方がはっきりしてくるまでは、どうもこのもみあいレンジを大きく抜けることは無さそうです。今週も6.80レベルをサポートに、7.05レベルをレジスタンスとする週を見ておくことにします。

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