不穏な英国議会閉会決定
ジョンソン英首相が議会を9月9〜12日(未定)のいずれかから閉会し、再開は10月14日としたことで28日のポンドは、大きく売り込まれることとなりました。その後、戻してはいるものの、この閉会が様々な思惑を招いています。
8月19日にジョンソン首相は「新たな協定に自信はあるが合意無き離脱の準備も順調」と、修正合意なのか合意無しなのかよくわからない発言をしました。そして、欧州歴訪時の21日にはメルケル独首相との会談後に、メルケル首相は「30日以内にバックストップの代替案を作成可能」と発言し、英国とEUとの間で何らかの修正合意の可能性を感じさせました。
しかし、26日にジョンソン首相は「合意無き離脱の場合、離脱清算金を払う必要は無い。それを農家支援等に使う」と発言し、やはり合意無しなのかと懸念が出てきたところに、冒頭の28日の1か月に亘る議会閉会です。例年9月は党大会等で閉会されていますが、今年は10月末に離脱期限を控えていますので、国民も与野党の議員も大反発です。
当初は議会で審議をさせず合意無しの離脱を強行するのではという意見が目立ちましたが、19日と21日のジョンソン首相とメルケル独首相の発言を見ると、9月下旬頃に何らかの代替案が出てくる可能性もありそうです。しかし、それをまた議会で議論したらメイ首相の時のように議会は何にでも反対ということにもなりかねません。
ポジティブに取るならば、かろうじて合意できそうな内容の代替案を審議させずに、強硬に合意に持ち込ませるために、離脱期限まで2週間しかないところまで閉会という作戦に出たのではないか。もしそうであるとすると短期的にポンドが急反発する可能性も高いかもしれません。長期チャートでは底割れギリギリ手前で踏みとどまっていますが、果たしてどうなるか。
ただ、夏休み明け直後から閉会直前までの10日間の議会で内閣不信任案が出される可能性もあり、その間の英国動向には注意が必要でしょう。週明けに新たな展開がある場合には、ユーロの週報で補足します。
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