オーストラリア2019年第2・四半期消費者物価指数結果
オーストラリア統計局は7月31日に2019年第2・四半期の消費者物価指数(CPI)を公表しました。内容は四半期ベース比で+0.6%(予想+0.5%)、前年比ベースでは+1.6%(同+1.5%)となり、両数値共に予想を上回りました。
前年比でみると、下落要因は家具関連・通信の2つに減りました。(1Qは衣料・家具関連・通信・輸送の4部門)。
一方、上昇要因は食品と非アルコール飲料・教育・健康関連が物価上げを引っ張っています。
尚、豪州統計局の内容分析によれば、前期比ベースでは、上昇要因として自動車燃料(+10.2%)、医療・病院関連(+2.6%)、海外旅行による輸送関連(+2.7%)などです。一方で、下落要因としては、フルーツや野菜(▼2.8%)、国内旅行(▼1.5%)、電気(▼1.7%)となっています。
また、下図チャートを見ると、第2四半期CPIの年率は1.6%で、1Q(1.3%)より改善し、中銀目標レンジ下限方向に向かいました。まだ下限2%からは離れていますが、この間に中銀は2回の利下げを行っており、オレンジ色の政策金利とは大きく離れてきました。青とオレンジが逆転した、第1四半期以降の利下げはある程度理解できます。
先週25日の講演で、中銀総裁が「必要であれば追加緩和策を講じる用意がある」と述べ、市場は8月6日の金融政策で3連続利下げを予想していますが、このチャートを見る限り、可能性は少し低くなったと思われます。また、その2日前に豪州中銀総裁補佐が「最近の利下げなければ、豪ドルは高くなっていたかもしれない」と発言しており、これまでの利下げが自国通貨安誘導と受け止められてもおかしくない状況です。来週火曜日の金融政策会合が注目されます。
前年比ベースCPIと中銀政策金利推移…緑の線は中銀のインフレ目標金利値
為替は、発表前に0.6865〜70米ドル辺りで推移していましたが、発表後は豪ドルが買われ0.6900米ドル手前まで上昇しています。
現在も0.6800〜0.7060米ドルの豪ドル安トレンドラインは継続しており、先週レンジ内の豪ドル戻り高トレンドのサポートを切ってから、レンジ下限方向に向かっているとしましたが、0.6890、0.6860、0.6830米ドルの順にあったサポートの2番目で止まり小反発しています。
しかしながら、0.6920米ドルの抵抗線を越えてくると豪ドル安からの反発・調整が見られそうな流れになっています。5月下旬の底値が0.6860、6月中旬が0.6830米ドルで、丁度7月下旬に0.6860米ドルを付けた訳ですから、この0.6830〜60米ドルゾーンは固くなっています。
このまま来週の金融政策を迎えるのか、0.6920米ドルを越えて、一度ポジション調整した後に金融政策を迎えるのか、今日のCPIで後者の可能性が少し高くなっています。
(7月31日14時10分、1豪ドル=0.6897米ドル)
オーダー/ポジション状況
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