ユーロ圏第2四半期GDP速報値の予想
日本時間2019年7月31日18時発表予定
GDP推移(前四半期比ベースと3四半期移動平均線:2Q予想値を加味)
本日、ユーロ圏の2Q・GDPが発表されます。エコノミスト予想では、前期比ベースで1Q・0.4%⇒2Q・0.2%に減速予想となっています。また、前年比ベースでも1Q・1.2%⇒2Q・1.0%へ減速予想です。どちらも4期連続で下降していましたが、1Qに若干戻したものの、今回予想通りなら再び下降となります。
また、先週木曜日のECB金融政策の議事要旨内では以下コメントしています。
「…2018年第4四半期に0.2%の成長拡大に続き、ユーロ圏の2019年第1四半期の実質GDPは四半期比0.4%の伸びとなった。入手したデータや調査では、第2、第3四半期は幾分、成長の減速が見受けられる。この主な要因は、長引く世界的不確実性の中で世界貿易の低下の影響を受けている。とりわけユーロ圏では製造業に影響を受けている。…」
第2四半期・第3四半期の景気減速について確認しています。
ECBスタッフの2019年GDP見通しは1.1%、2020年1.6%ですので、ほぼ2019年半期はその予想に沿った内容になりそうです。従ってこの数値以下になると、ECBは市場の予想通り金融緩和方向へ舵を切ってくると思われます。
また、10月にはBrexitの可能性が高くなっており、もしこのまま行われれば、製造業中心に英国からユーロ圏に拠点を移して域内としてはメリットも出てきますが、英国自体の景気減速懸念から域内の貿易縮小懸念もありますので、先行きの利下げ方向に目が向き易くなります。
また本日同時刻にユーロ圏の7月消費者物価指数速報値が公表されます。インフレ指標ですの
で注目されます。
ユーロ圏消費者物価指数(前年同月比)
ユーロドルの相場は、1.1040〜1.1380米ドルのユーロ安トレンドラインは維持されており、現在はこのレンジ内の1.1100〜10でトリプルボトムになり、下抜けが失敗した形になっています。通常はここからユーロが戻る可能性が高いのですが、ECB利下げ、ハードBrexit等、ユーロを取り巻く悪材料が多く、戻りが弱い状態を続けています。
このレンジ内の抵抗線が1.1250〜60にあるので、ここを越えて終われば、このトリプルボトム抜け失敗からのユーロ反転が確認できレンジ上限を試せる流れに入れそうです。逆に1.11を割れてしまうと1.1040〜50のレンジ下限までの下押しになり、トリプルボトム抜けからユーロ安の流れが継続することになります。
(7月31日10:45、1ユーロ=1.1153米ドル)
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