欧州中央銀行(ECB)政策金利の予想

2019年7月25日木曜日:東京時間20時45分公表、ドラギ総裁記者会見は21時30分〜

欧州中央銀行(ECB)政策金利の予想

欧州中央銀行政策金利予想

現行0.0%⇒0.0%で据え置き予想 エコノミストの予想レンジ(0.0%〜▼0.1%)
その他、
中銀への預金金利(現行▼0.4%⇒据え置き:予想レンジ▼0.4%〜▼0.6%)及び
限界貸付金利(現行0.25%⇒据え置き:予想レンジなし)

明日、ECBは政策金利を公表しますが、今回もエコノミストの予想平均値は全て据え置きとなっています。政策金利と中銀への預金金利はレンジが緩和方向に拡大予想となっています。

先月、ポルトガルで行われた中銀フォーラムで、ドラギ総裁は「もしユーロ圏で経済の改善がなければ、中銀は行動する準備をしている」と述べています。そしてこの発言以降、トランプ大統領の自国通貨安誘導(ユーロと人民元)の批判を受けています。


今回会合の注目点として、エコノミストは追加の金融緩和策を予想していますが、その内容としては、

(1)上記予想の様に一部政策金利のマイナス化ないしマイナス幅の拡大
(2) 新たに追加の債券購入枠の拡大を公表
(3) 今回はフォーワードガイダンス使って、次回9月12日の金融政策会合時に量的緩和を含めた大胆な緩和策を講じる

などの見通しになっています。特に(3)については、米中貿易交渉の行方が不透明の中で緩和先行には大胆に踏み切らない、そして9月末に任期の切れるドラギ総裁の置き土産、との分析になっています。

尚、前回2019年6月6日のECBドラギ総裁記者会見要旨の一部抜粋を添付します。(箇条書きにしてあります)

@ 第1に、主要なECB金利は据え置きを決定した。インフレ率を中期目標の2%に近付くようになるまではこれを維持していく。
A 第2に、満期の債券は資産購入プログラムに準じて全額再投資する。期間はECB主要金利を引き上げる時点まで行う。好ましい流動性を出来る限り長く維持していく。
B 今回の金融政策決定は中期インフレ目標を2%近くにするために、必要とされる緩和を持続的に行うこととしたものである。第1四半期の予想より良かった経済指標にも関わらず、世界的な逆風がユーロ圏の先行き見通しにのしかかっている。これは地政学的リスク、保護主義の高まる脅威、などが経済センチメントを弱めている。

C 同時に、一段の雇用拡大や賃金の緩やかな上昇が見られる。今日の政策手段が、ユーロ圏経済拡大に、非常に好ましいものになっている。先々をみて、緊急事態が起きた場合にはあらゆる手段を使って、インフレを目標値に近づけるようにすることを理事会は決定した。
D 現在の経済状況を振り返ると、2019年第1四半期GDPは四半期比0.4%の伸びだった。2018年第4四半期は0.2%だった。ただ、最近入ってきたデータを見ると、第2・第3四半期は幾分弱いことが予想される。これは世界貿易の不確実性があることだ。ただ、ユーロ圏の先行きは好ましい金融環境や、財政支援により下支えられており、雇用や賃金は上がっている。

E 欧州統計局スタッフの経済見通しでは、GDPは2019年に1.2%、2020年に1.4%、2021年1.4%になっている。3月末期の予想からでは2019年が0.1%上方修正、2020年が0.2%、2021年が0.1%の下方修正になった。
F 統計局によるインフレは4月1.7%から5月1.2%に下がった。これは原油価格やサービス価格低下による。目先はまだ下がる可能性あるが、年末に向けては上昇する。これは労働市場のタイト化、稼働率の上昇などが要因である。

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
出所:ECB HPから

尚、市場の一部見方として、利下げや新規債券購入などの追加緩和をした場合には、ユーロは対ドルで過去2年間の底値である1.1106ドルをブレークし、新たなユーロの底値を探る一方、もし9月に緩和見送りの場合は、ユーロのショートカバーが大きく入り、ユーロ高に戻すと予想している様です。因みに2003年2月以降で見ると、2017年1月に1.0341ドルの底値を付けています。

(2019年7月24日13:40、1ユーロ=1.1145ドル、=108円16銭)

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