欧州中央銀行(ECB)政策金利結果(19/6/7)

2019年6月6日木曜日:東京時間20時45分公表

欧州中央銀行(ECB)政策金利結果(19/6/7)

欧州中央銀行(ECB)政策金利結果

欧州中央銀行政策金利に関する決定事項は
  
主要金利は0.0%→0.0%で据え置き
 
中銀への預金金利 ▼0.4%、  限界貸付金利 0.25% も据え置き
ECBの運営審議会は主要金利を少なくとも2020年上半期まで維持することとした。(金利据え置き期間を前回の2019年末⇒2020年上半期までに延長)

ほぼ従前の予想通りの結果となりました。

ユーロドルの相場はECB前に1.1230〜35付近で推移していましたが、ECBが金利の現状維持期間を半年延長するとの発表に1.1203まで下落しましたが、ユーロ圏経済内容の底固さを示す内容に1.1309まで急反発し、1.12台後半でNYは引けました。
依然として、1.1030〜1.1310のユーロ安トレンドを維持していますが、豪・NZは金融緩和に舵を切り替え、米国も条件次第で緩和方向を示唆する中、金利を現状維持にしたことからユーロの見直し機運が出始めています。

まだ1.1310米ドルは目先のダブルトップになっていますが、3回目は抜け易く、逆に抜けないと暫くはここが上限になるポイントですので、今日の米雇用統計を含めて、来週以降のユーロドルの動向は注目されます。
もし、上抜けた場合は1.1380、1.1440〜50、1.1480の順に抵抗線が控えており、1つずつ試す流れに入りそうです。尚、抵抗線抜け確認の意味でNY終値1.1330越えが必要になると思います。上値が抑え込まれた場合は1.1200〜10、1.1160〜70、1.1100〜10の順にサポートあり、これまでのユーロ安トレンド内のサポートを試す流れが続きます。

尚、以下はドラギ総裁記者会見要旨の一部です。

(ドラギ総裁記者会見要旨)
以下はドラギ総裁の記者会見内容に関し、箇条書きにしています。
・第1に、主要なECB金利は据え置きを決定した。インフレ率を中期目標の2%に近付くようになるまではこれを維持していく。

・第2に、満期の債券は資産購入プログラムに準じて全額再投資する。期間はECB主要金利を引き上げる時点まで行う。好ましい流動性を出来る限り長く維持していく。

・第3に、4半期目標のTLTROVに関しては、ユーロシステムの主要リファイナンスオペに10ベーシス乗せた水準をこれまで通り維持する。

・今回の金融政策決定は中期インフレ目標を2%近くにするために、必要とされる緩和を持続的に行うこととしたものである。第1四半期の予想より良かった経済指標にも関わらず、世界的な逆風がユーロ圏の先行き見通しにのしかかっている。これは地政学的リスク、保護主義の高まる脅威、などが経済センチメントを弱めている。

・同時に、一段の雇用拡大や賃金の緩やかな上昇が見られる。今日の政策手段が、ユーロ圏経済拡大に、非常に好ましいものになっている。先々をみて、緊急事態が起きた場合にはあらゆる手段を使って、インフレを目標値に近づけるようにすることを理事会は決定した。

・現在の経済状況を振り返ると、2019年第1四半期GDPは四半期比0.4%の伸びだった。2018年第4四半期は0.2%だった。ただ、最近入ってきたデータを見ると、第2・第3四半期は幾分弱いことが予想される。これは世界貿易の不確実性があることだ。ただ、ユーロ圏の先行きは好ましい金融環境や、財政支援により下支えられており、雇用や賃金は上がっている。

・欧州統計局スタッフの経済見通しでは、GDPは2019年に1.2%、2020年に1.4%、2021年1.4%になっている。3月末期の予想からでは2019年が0.1%上方修正、2020年が0.2%、2021年が0.1%の下方修正になった。

・ユーロ圏を取り巻くリスクは下方のものが多い。地政学リスク、保護主義による貿易問題、新興国の先行き経済の不確実性などである。

・統計局によるインフレは4月1.7%から5月1.2%に下がった。これは原油価格やサービス価格低下による。目先はまだ下がる可能性あるが、年末に向けては上昇する。これは労働市場のタイト化、稼働率の上昇などが要因である。

・(M3の伸びやローン関連は省略)

・財政政策に関しては、ユーロ圏の緩やかな財政拡大が経済活動を支えている。同時に、各国の政府債務は財政改善の緩衝を求めるほどに高くなっている。ユーロ圏の目標を達成するために努力を続ける必要がある。

(質疑応答は略)出所:ECB HPから

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

内容的に新味ありませんが、前回4月時点の会合よりは目先の経済状態が改善しており(来年以降は下方修正)、追加緩和や新しい金融緩和の必要性を求めた向きには、新味なかった内容になっています。
(6月7日13:00、1ユーロ=1.1268ドル、122円23銭)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る