ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、利下げがあることを考えると足取りが重たくならざるを得ず「7.60レベルをサポートに7.85レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.67レベル、高値が7.80レベルと上値は重たかったものの思ったより狭い値幅での取引に終始しました。
先週は南ア中銀の利下げと会合後の声明に注目が集まりましたが、6.50%への利下げ自体が市場のコンセンサスとなっていたこともあって、利下げまで上値は重たい展開ではあったものの、利下げ後は週末に向けての買い戻しが目立った印象です。これは利下げにあたって0.50%の利下げは考慮しなかったという総裁発言から、早期の追加利下げは無さそうであるという見方と、週後半に全般的に米ドルに売りが入ったということもあります。
今週は大きなイベント通過したことや、米中間の通商協議に進展は見られないもののその後は追加の悪材料が出て来ないこともあって、南ア国内の材料と来週の米国FOMCに向けてドルサイドの動きが気になる週となります。
南ア国内の材料ですが、今週はCPI、PPIといった物価関連指標があります。利下げの翌週ということで今週の数字ですぐにどうということではありませんが、次回9月の理事会までに弱い数字が続くような場合には、市場参加者による利下げ催促相場に繋がる可能性の最初の指標ということになりますので、念の為注意しておきたいところです。
そして、もうひとつ気になるニュースが金曜に出ています。ブルームバーグによれば「行政監察官はラマポーザ大統領に対し、政府高官への贈賄に関与した企業からの献金について議員らを欺き、憲法と要職者の倫理規範に違反したと判断」という記事が出ました。いまのところ、文字通りに判断できない面もあって今後の成り行きを見ていくこととなりそうですが、目立ったランド売りに繋がっていないということは市場参加者はシロと考えているのか、あるいは今後問題が大きくなるのか、ここに来てランドの上値が重たくなってきていることから気になる材料となってきました。
ランドを取り囲む材料だけでなく、テクニカルにもランドは上値が重たくなってきている点には注意が必要です。今週はまず日足チャートからご覧ください。
南アフリカランド円日足
2月の年初来高値と4月高値を結んだレジスタンスラインを太いピンクのラインで示してありますが、7月高値とそれ以降の上値がこのラインで抑えられていることがわかります。また、6月安値からの上昇チャンネル(ピンクの平行線)を先週の横方向へのもみあいで下抜いてきていることもわかります。テクニカルには既に高値を見た可能性が高いチャートパターンとなっています。
いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
ランド円、ドルランド、ドル円4時間足
先ほどの上昇チャンネルが今週以降はレジスタンスとなってくるでしょうし、また6月安値と7月高値との23.6%押しとなる7.65を最初のターゲットに、今後は38.2%押しにあたる7.55をも視野に入れる展開となってくると考えられます。本邦個人投資家のランド円ポジションも買いが減少傾向であることも考えると今週は横方向から下方向へと向きを変えてくる可能性が高いと考えています。
今週は既に7月高値をつけたと考え、7.80レベルをレジスタンスに、7.55レベルをサポートとする流れを見ておきます。
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