ランド円ショートコメント
先週の振り返りですが、上値の重たい流れから下げへと転じる週を考え「7.50レベルをサポートに7.70レベルをレジスタンスとする流れ」を考えました。実際のレンジは安値が7.61レベル、高値が7.80レベルと、値幅は狭かったものの下げへ転じるどころか上昇トレンド再開という動きを見せました。
先週のランドは、南アの財政にとって最大の懸念材料である電力会社エスコムに新たな支援策が示されたことを好感してのランド買いとなりました。しかし今週はイベントが多いため、それだけでランドを買うほどの材料とも言えません。
今週の月曜午前に発表された中国のGDPが予想通りとは言え、前年比6.2%というのはリーマンショック直後よりも悪く、現在の統計を開始した1992年以降でもっとも低い成長率となっています。南アにとって最大の貿易国である中国の成長鈍化、そして南ア自体も景気減速懸念が強く、今週18日の南ア中銀の金融政策決定会合では25bpの利下げ(6.75%→6.50%)がコンセンサスとなっています。金利差縮小は既に織り込んでいるとは言ってもランド売りの要因となりえます。
ただ、本邦個人投資家は7月に入ってからランド買いポジションは減らしてきていて、6月中旬の最も買いが多かった時期と比べると3分の1程度のポジション解消に動いています。ランド円に関して言えば上昇局面でうまくポジションを仕切っているため、逆に下がることがあれば改めて買いで向かってくる可能性の方が高いのではないか、個人投資家の動向からはそんな見方をしたくなります。
テクニカルにはどうでしょうか。
いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
チャートだけ見ていると2週前の横方向の動きから改めて上昇トレンドに回帰していることがわかります。今週は利下げがあることを考えると、ここからの上は足取りが重たくならざるを得ませんので、7.60レベルをサポートに7.85レベルをレジスタンスとする週と見ておくことにします。
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