FX予想と振り返り 「ドル安トレンド、今週も一段の下押しか」(週報7月第3週)

週明けのドル円は日経平均株価が下げて始まったことからリスクオフでドル売りが先行しました。

FX予想と振り返り 「ドル安トレンド、今週も一段の下押しか」(週報7月第3週)

今週の週間見通し

先週のドル円は週前半の強い地合いの時にも109円台に乗せられなかったことが大きかったと思います。パウエルFRB議長の議会証言において6月FOMC以降も世界経済に不透明感があり、米国経済を支えるために行動するとの内容から7月31日FOMCでの利下げを確信させるものとなりました。

現時点での利下げ織り込み度はCMEのFF先物の取引状況を見ると、7月の25bp利下げが76.5%、50bpの利下げが23.5%となっていて、現状維持を見込む向きはゼロです。逆に現状維持となると逆効果となりますし、現状は予防的な利下げの意味合いが強いと考えられますので、ほぼ25bpの利下げとなると考えられます。

そして、同様にその後9月18日FOMCでは、将来的な現状維持(7月利下げのまま)が27.1%、現時点から見て50もしくは75bpの利下げと見ている参加者が72.9%と、9月時点での追加利下げがコンセンサスとなっています7月の利下げ効果を見てからの判断ということもありますので、9月時点の織り込み度はやや市場参加者が過熱気味と言えるかもしれません。

先週のドル円は週前半の強い地合いの時にも109円台に乗せられなかったことが大きかったと思います。パウエルFRB議長の議会証言において6月FOMC以降も世界経済に不透明感があり、米国経済を支えるために行動するとの内容から7月31日FOMCでの利下げを確信させるものとなりました。

現時点での利下げ織り込み度はCMEのFF先物の取引状況を見ると、7月の25bp利下げが76.5%、50bpの利下げが23.5%となっていて、現状維持を見込む向きはゼロです。逆に現状維持となると逆効果となりますし、現状は予防的な利下げの意味合いが強いと考えられますので、ほぼ25bpの利下げとなると考えられます。

そして、同様にその後9月18日FOMCでは、将来的な現状維持(7月利下げのまま)が27.1%、現時点から見て50もしくは75bpの利下げと見ている参加者が72.9%と、9月時点での追加利下げがコンセンサスとなっています7月の利下げ効果を見てからの判断ということもありますので、9月時点の織り込み度はやや市場参加者が過熱気味と言えるかもしれません。

次にテクニカルな観点から日足チャートを見てみましょう。

先週の高値107.99は年初来高値112.40とその後の安値106.78の38.2%戻しにあたる108.93(青の太線)とほぼ重なり、またこの水準は5月末に下抜ける前の5月13日安値ともほぼ重なっていることがわかります。テクニカルには抑えられるべきところに戻しの限界を見たというチャートパターンで、当面は109円が非常に上値の重たい水準として意識されることとなります。

今週の週間見通し

ドル円(日足)チャート

年初来高値と先週高値108.99を結んだレジスタンスライン(ピンク)が今後はレジスタンスとして効いてくるでしょうから、今週は既に108円台後半がレジスタンスとなってきます。いっぽうで下値については、6月安値106.78レベルまではまだ距離がありますが、中期的には同水準をトライする流れです。短期的には6月安値と先週高値との78.6%(61.8%の平方根)押しとなる107.25をサポート兼ターゲットとする水準です。

今週は107.25レベルをサポートに、108.50レベルをレジスタンスとする週を見ておくこととします。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2019年FOMCメンバー(ニューヨーク、シカゴ、ボストン、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。

7月15日(月)
**:** 東京市場休場
11:00 中国4〜6月期GDP
11:00 中国6月小売売上高、鉱工業生産
21:30 米国7月NY連銀製造業景況指数

7月16日(火)
07:45 NZ4〜6月期CPI
10:30 豪中銀理事会議事要旨公表
16:00 トルコ4月失業率
17:30 英国6月失業率
18:00 ドイツ7月ZEW景況感
18:00 ユーロ圏7月ZEW景況感
18:00 ユーロ圏5月貿易収支
21:00 英中銀総裁講演
21:30 米国6月小売売上高
21:30 米国6月輸入物価指数
22:15 米国6月鉱工業生産、設備稼働率
23:00 米国7月NAHB住宅市場指数
23:00 米国5月企業在庫
26:00 パウエルFRB議長講演

7月17日(水)
17:30 英国6月CPI・PPI
18:00 ユーロ圏6月CPI
18:00 ユーロ圏5月建設支出
20:00 南ア5月小売売上高
21:30 米国6月住宅着工、建設許可件数
23:30 週間原油在庫統計
27:00 ベージュブック

7月18日(木)
08:50 本邦6月貿易統計
10:30 豪州6月失業率
17:30 英国6月小売売上高
**:** 南ア中銀政策金利発表
21:30 米国新規失業保険申請件数
21:30 米国7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数
22:00 米国6月景気先行指数

7月19日(金)
08:30 本邦6月CPI
15:00 ドイツ6月PPI
17:00 ユーロ圏5月経常収支
23:00 米国7月ミシガン大消費者信頼感速報値

7月21日(日)
**:** 参議院選投開票

前週の主要レート(週間レンジ)

前週の主要レート(週間レンジ)

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

7月8日(月)
週明けのドル円は日経平均株価が下げて始まったことからリスクオフでドル売りが先行しました。後場に入り株が下げ止まり上昇に転じるとその動きについてリスクオフの巻き返しとなり、海外市場でもドル買いが続きました。NY市場では、米金利も上昇する中で先週高値を上抜けテクニカルなドル買いも散見され一段高、108.81レベルの高値を付け、そのまま高値圏での引けとなりました。

7月9日(火)
冴えない動きの一日となり、ドル円はほとんどの時間を108.75〜90の間で高値もみあいのままでした。欧州市場で108.96レベルの高値をつけた際も勢いが感じられず、どちらかというと109円台にドル売りオーダーが並んでいることを感じさせました。

7月10日(水)
NY市場前場にパウエルFRB議長の議会証言、後場にFOMC議事録公表と今後の方向性を占う重要イベントを控えていたことから、108.90前後の狭い値動きを続けていました。東京市場では朝方に108.99レベルの高値をつけたものの後が続かなかったことから改めて109円台の上値の重たさを感じさせました。NY市場に入り議会証言の原稿が公表、前回会合以降の世界経済の不透明感、米国景気を支えるための行動、といった言葉が並び今月FOMCでの利下げを確信させたことからドルは急速に売り込まれました。議事録公表自体は議会証言よりも古いことから目立った反応は無かったものの、引けにかけては一段安となり108.35レベルの安値をつけ若干戻して引けました。

7月11日(木)
ドル円は前日のパウエルFRB議長議会証言後の流れを受けドル売りが先行、ストップオーダーも巻き込みながら昼過ぎには107.93レベルの安値をつけました。しかし後場に入ると下げの速度が早い警戒感や米金利が下げ止まる動きとなったことから自律反転。欧州市場以降はダウ先物が強い地合いを示したことも重なって、NY市場では史上最高値を更新するダウとともに108.53レベルまで買い戻されて高値引けとなりました。

7月12日(金)
ドル円は米金利低下とともに前日の買いに対する調整が入り東京前場からドル売りが目立ちました。欧州市場序盤には買い戻しも見られましたが勢いが感じられず、ユーロが対ドル、対円ともに売られる動きから円買いの動きに転じました。その後も前日のにわかロングの投げからじり安の展開が続き、NY市場では前日安値を割り込み107.81レベルをつけ安値引けとなりました。

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