ランド円ショートコメント
先週の振り返りですが、上値の重たい展開を続けやすいと見て「7.48レベルをサポートに、7.67レベルをレジスタンスとする週」を考えました。実際のレンジは安値が7.33レベル、高値が7.60レベルと、予想よりも低い水準での取引となりました。
先週のランド円は、予定よりもさらに遅れた閣僚人事が発表されましたが、ズマ前大統領派が閣僚として残ることを懸念したランド売り、そして実際に残ったことを嫌気した一段の売り、というのが週前半の動きでした。その後、いったん買い戻す動きも見られましたが、木曜引け後のトランプ大統領がメキシコへの制裁関税に言及したことや、中国によるレアアース対米輸出制限の発言等が、貿易摩擦激化とリスクオフへとつながり、ランドにも売りが入る動きとなりました。
南アにとって中国は最大の貿易国であり、米中間の貿易摩擦激化は悪材料以外の何物でもありません。内的には国内政治、外的には貿易摩擦としばらくはランドにとって正念場の時期が続きます。
今週は中国からはPMI(月曜、水曜)が、また南アからは1〜3月期GDP(火曜)が発表されます。どちらもランド円にとっては重要ですが、特にGDPが注目されます。これまで南アのGDPは直前2期プラス成長であったものの、今回はマイナスが予想されています。
結果次第ではランド売りのきっかけとなりやすいと言えますし、前回の+1.4%に対してー1.6%となっていますので、多少コンセンサスより良い程度では先行きの利下げ思惑もあり買いにくいことには変わりません。
次にテクニカルです。いつもの4時間足チャート((上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
5月初めの高値から引いたレジスタンスが引き続き効いていますが、3月安値の赤の水平線は明確に下抜けてきました。その後の買い戻しの動きも同水準で上値を止められていますので、7.50を明確に上抜けるとごく目先はダブルボトム、逆にダブルボトムを下抜けると、年初来安値の7.29へ向かいやすいと言えるでしょう。
またレジスタンスと平行に引いたラインと合わせて下降チャンネルを想定することもできそうです。そうなると上記のダブルボトム下抜けをする可能性の方が高いということになります。3月安値を抜けてからの上値の抑えられ方もチャートとしては良い形ではありませんので、引き続き下げやすい流れにあると見て、7.55レベルをレジスタンスに、7.25レベルをサポートとする週を見ておきます。
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