ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、直近2週間のレンジを目安にもみあいを想定し「7.55レベルをサポートに7.80レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.54レベル、高値が7.70レベルと予想よりも狭いレンジの中で上値が重たい値動きとなりました。
先週のランド円は、木曜の東京市場までは7.65を中心に上下5銭のもみあいを続け過去2週間のレンジを更に狭くするような値動きとなりました。同日欧州市場に入り主要株価指数の下げがリスクオフの円買いとなり円高の動きが見られる一方で、ドルランドではランド売りになったことからランド円の売りが強まりました。
このドルランドでのランド売りは、南ア中銀が政策金利を現状維持としたものの、今年の成長率予想を下方修正したこと、また利下げを主張した委員が2名いたことを反映したものです。今回の政策金利は現状維持がコンセンサスであったものの、次の動きは利下げという点もコンセンサスであったため、発表内容の割には落ち着いた動きであったと言えるでしょう。
今週は、今日か明日にも選挙後しばらく遅れていた組閣人事が発表される予定ですが、よほど変なことでも無い限り、相場に与える影響は限定的なものと言えそうです。
また木曜にPPI、金曜に貿易収支の発表がありますが、前者は今後の金融政策と絡めて、また後者は米中貿易摩擦激化が中国に与える影響と、そこから派生して南アに与える影響を考えることとなり、弱いPPIや貿易収支の悪化といったランド売り材料に反応しやすい地合いとなっています。特に南アにとって最大の貿易国である中国の景気は今後も大きな影響を与えると考えられるため、週後半の経済指標に注目が集まるでしょう。
テクニカルには、これまでもみあいで横方向の動きとなっていましたが、先週木曜のリスクオフと南ア中銀の発表以降、明確ではありませんがやや下方向にレンジを変えてきた感じがします。今週はまず日足チャートからご覧ください。
1月初めの年初来安値と2月初めの年初来高値のフィボナッチリトレースメントを表示してありますが、3月の安値7.48はほぼ78.6%(61.8%の平方根)押しの7.49で反発、4月高値を付けて以降は再び中期的な下げ相場に入ってきているチャートです。
また4月後半の高値と5月中旬の高値を結んだレジスタンスラインとそれに平行なラインとで下降チャンネルを引いてありますが、5月安値を更新中であることを考えると、再度3月安値をトライしに行きやすい流れにあると考えることができます。
次にいつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
日足チャートのレジスタンスラインと3月安値を同じ色で示してあります。
テクニカルには今週はこの2つのラインで示されるレンジの中で上値の重たい展開を続けやすいと見ることができます。つまり今週は7.48レベルをサポートに、7.67レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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