ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、南ア総選挙、米中協議の行方といったイベントを睨みながらも「7.75レベルをレジスタンスに、7.40レベルをサポートと一段安の週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.57レベル、高値が7.78レベルと予想よりもかなり狭いレンジかつ思いのほか底堅い取引となりました。
先週のランド円は、先週末に米国が対中制裁関税25%を10日から適用するとのニュースに週初から上値の重たい展開でスタートしました。また、8日に実施された南アフリカの総選挙の結果は、過去最低ではあるものの与党ANCが過半数を維持、首都ヨハネスブルクにおいても過半数維持、と想定される中では与党ANC、しいてはラマポーザ大統領にとっては最も良い結果になったと考えられます。
選挙結果を受けランドに対する安心感も広がる中で、米中通商協議が今後も継続されるとのニュースにリスクオフが緩んでの週末を迎え、そのことが中国を最大貿易国とする南アフリカにとってもいったん悪材料は出尽くしたとの見方に繋がり、週末は買い戻しが強まったと考えられます。また、本邦個人投資家に人気のあるトルコリラが金曜に反発したことも、新興国通貨買いの安心感を与えた様子です。
米中協議はこれからということになりますし、状況によっては制裁関税の第4弾(全中国製品への制裁関税適用)の懸念もありますので、新興国通貨の中でもランドは積極的には買いにくい流れが続きます。しかし当面の米中間の懸念が一巡したこと、また南ア総選挙が与党勝利に終わったことで、下値もまた限定的な動きになってきたと考えられます。
今週の材料としては、南アの小売売上高などもありますが、どちらかというと中国の経済指標を気にする市場参加者の方が多い気がします。また国内の電力事情等も引き続き懸念材料ではありますが、新たな材料というわけでもないので、今週は材料面では落ち着いた一週間となりそうです。
テクニカルに見てみましょう。
いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
先週木曜までは下降チャンネルの中での取引が続いていましたが、金曜スタートでレジスタンスラインを上抜けました。チャートの経常的にも7.60レベルは底堅く、下には買いも構えていそうな値動きが続きました。今週はこれまでの下降トレンドから横方向へのもみあいの動きへと方向が変化してくる流れです。
中段の対ドルでは先々週のドル高値から緩やかなドル安傾向を続けていて、全般的なドル安相場の動きがドルランドにも見られるということは、リスクオフの動きの中でも新興国通貨からそれほど資金が流出していないことを意味します。この点もランドの下値不安が後退してきているシグナルと捉えてよいでしょう。
今週は方向感こそはっきりしないものの、底固めのもみあい継続を考え、7.60レベルをサポートに7.85レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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