NZ中銀の金融政策結果
本日、NZ中銀はオフィシャルキャッシュレート(中銀政策金利:OCR)を現行の1.75%に据え置きを決定しました。今回も予想通りの結果となりましたが議事要旨は大きく変わりました。
要旨内容は、前回あった「…次のOCRの動きは上げも下げもある。…」から「次のOCRの動きは利下げになるだろう」と変更して利上げ可能性の文言が無くなったこと、NZの貿易相手国の景気鈍化見通しによりNZドル高圧力がかかる等、市場の利上げ見通し・NZドル高観を払拭した内容になっています。
そこそこ強い表現で、緩和継続とNZドル高阻止を述べた要旨になっています。
相場は、金融政策発表前に0.6910〜15米ドルで推移していたNZドルですが、発表直後に0.6805〜10米ドルまで100ピップス強のNZドル安になりました。現在は0.6820米ドル前後で推移しています。
下げ止まったレベルは丁度0.6810〜20米ドルサポートで、まだ0.6750〜0.6950米ドルのアセンディングトラアングルは維持しています。
もし現在のサポートを切った場合には、0.6770〜80に軽いサポートありますが、ポイントはトライアングル下限の0.6750米ドルになります。上値は0.6860〜70、0.6910米ドルに抵抗線があり、こなせば0.6950米ドルの上限になります。目先はまだNZドルの下値模索の中にいます。(3月27日10:50、1NZドル=0.6822米ドル)
尚、中銀の金融政策要旨は以下となっています。
(中銀声明要旨)
オフィシャルキャッシュレート(OCR)は1.75%のままである。
一段と弱くなった世界経済見通しや国内消費の減速傾向により、次のOCRの動く方向はおそらく利下げだろう。
雇用はほぼ最大限に近いところまできている。しかしながら、コアの消費者物価インフレは依然中銀目標値中間の2%以下である。これは継続的な金融政策のサポートを必要としている。
世界経済は更に弱くなっている。とりわけ、我々の主要貿易相手国…豪州・欧州・中国…に見られる。このより弱くなった見通しは、各中銀に対して先行きの期待金融政策スタンスを緩和方向に促している。これはNZドルの上昇圧力に変えてしまう。
2018年の国内GDPは減速した。これは住宅と弱くなった企業投資による。
我々は金利を低く据え置き、増加続ける政府支出や投資により2019年以降の成長を支えていくと予想している。低金利や継続的な雇用拡大が家計消費や企業投資を支えていくと見ている。インフラ・住宅などの政府支出、支出移転もまた国内需要を支える。
稼働率上昇により、消費者物価インフレは我々目標の2%である中央値に近づいていくと予想している。
先行きのリスクは下方に動いた。世界経済の下方リスクは増大し、企業センチメントは国内支出に対して低下している。上値リスクとしては、もし企業が幅広い範囲でコストを価格に転嫁すれば、インフレ上昇が早まるだろう。
我々はOCRを暫くの間このまま維持し、それが雇用を最大限まで拡大することに貢献するだろう。そしてインフレを安定的にしていくだろう。
(要旨は以上)
(注)NZ中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
次回の金融政策は2019年5月8日(水曜日)に予定されています。
(以上)
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