ドル円 3月15日からの高値切り下がり範囲(19/3/27)

26日夜に発表された2月の米住宅着工件数は116.2万件となり市場予想の121.3万件及び1月の127.3万件を下回った。

ドル円 3月15日からの高値切り下がり範囲(19/3/27)

【概況】

3月21日未明の米連銀FOMCによる年内利上げ断念姿勢から急落して3月8日安値を割り込み、22日には欧米のPMI悪化と株安・米長期債利回り低下により続落、週明け25日午前には109.72円の安値を付けた。
26日未明への反落では25日午前安値割れを回避し、その後は株安連鎖が一服したことで買い戻され、26日夜高値110.68円まで戻した。

22日に460ドル安の大幅下落となったNYダウは25日に14.51ドル高と下げ渋ったことで世界連鎖株安にブレーキがかかり、26日は上海総合株価指数が続落したものの日経平均が大幅反発、ダウも140.90ドル高と続伸した。ただ米経済指標の悪化や先行き不透明感が継続しているために高値からは100ドル以上の下げとなり、株高への楽観を回復するほどの勢いではなかった。また米長期債利回りもいったんは債券売りで上昇したがその後は再び低下しており、長短金利の逆転現象である逆イールドも継続しているためにドル円の戻りも限定的といったところだ。

26日夜に発表された2月の米住宅着工件数は116.2万件となり市場予想の121.3万件及び1月の127.3万件を下回った。先行指標となる着工許可件数は129.6万件で市場予想の130.0万件及び前月の131.7万件を下回った。
1月のケース・シラー住宅価格指数も前年同月比で3.6%増となり市場予想の4.0%増及び12月の4.1%増を下回った。
3月のリッチモンド連銀製造業景況指数は10で予想と一致したが2月の16から低下した。
3月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は124.1となり市場予想の132.0及び2月の131.4を下回った。

【3月22日の日足陰線レンジ内】

3月8日安値110.80円から15日高値111.90円まで1.10円の上昇だったが、21日からの下落で3月8日安値を割り込み、25日安値109.72円までの下げ幅は2.18円となり、15日への戻り幅のほぼ倍返しとなった。26日夜高値110.68円への上昇幅は0.96円であり、直前の下げ幅の半値戻しとなる110.81円には届いていない。また3月15日高値111.90円、20日高値111.69円、21日深夜高値110.95円と戻り高値が切り下がってきたが、この流れもまだ断ち切れずにいる。
3月22日の日足陰線は前日比0.94円の下落で高安レンジは110.89円から109.74円だったが、25日からの戻りもこの日足陰線の範囲内にある。
3月5日高値からの下げが3月8日までを一段目とし、3月8日安値割れから二段目に入っているため、この流れを切り返すにはまず3月22日の陰線レンジを解消すること、この間の下げ幅の半値戻しとなる110.92円を超えること、心理的には111円台を回復することを段階的にクリアしてゆく必要があると思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、3月19日午前安値から4日目となる25日午前安値で直近のサイクルボトムを付けて戻しに入った。このため26日朝時点では25日午前安値割れ回避のうちは25日夕高値超えから上昇期入りとして26日の日中から27日の日中にかけての間への上昇を想定した。26日夜に110.68円まで上昇したが、その後は新たな高値更新へ進めずにいる。110.20円台まで押されても110.50円超えへ切り返すうちはサイクルトップ形成の延長入りも含めて上昇余地ありとするが、110.25円割れからは新たな弱気サイクル入りと仮定して次の安値形成期となる3月28日から4月1日にかけての間への下落期入りを想定する。

60分足の一目均衡表では26日夜の上昇で先行スパンを上抜き、その後も上抜いた状況を維持しているが、サイクルトップを付けての下落警戒期に入っているので遅行スパン悪化からは下落再開とみて安値試し優先とし、先行スパンから転落する場合は下げが加速しやすいと注意する。

60分足の相対力指数は26日夜と27日未明のほぼフラットな高値に対して指数のピークが切り下がる小規模な弱気逆行気配がみられるので、50ポイント割れからの下落期入り注意とみる。



以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、110.25円を下値支持線、26日夜高値110.68円を上値抵抗線とする。
(2)110.50円を割り込んでも回復するうちは110.68円超えから111円前後を目指す可能性ありとする。110.90円以上は反落警戒とするが、26日夜高値超えの後も110.50円以上を維持するうちは28日の日中へ続伸しやすいとみて111円台序盤へ上値目途を引き上げる。
(3)110.35円割れを弱気転換注意、110.25円割れからは弱気サイクル入りと仮定して25日安値109.72円試しを想定する。底割れの場合は109円台序盤試しへ下値目途を引き下げる。
60分足の相対力指数は26日夜と27日未明のほぼフラットな高値に対して指数のピークが切り下がる小規模な弱気逆行気配がみられるので、50ポイント割れからの下落期入り注意とみる。


【当面の予定】

3/27(水)
10:00 (NZ) ニュージーランド準備銀行(RBNZ) 政策金利 (現行 1.75%、予想 1.75%)
17:00 (欧) ドラギ欧州中銀(ECB)総裁、発言
21:30 (米) 1月 貿易収支 (12月 -598億ドル、予想 -570億ドル)
23:00 (米) 10-12月期 経常収支 (前期 -1248億ドル、予想 -1300億ドル)

3/28(木)
未 定 (南) 南ア準備銀行(SARB)政策金利 (現行 6.75%、予想 6.75%)
06:30 (米) ジョージ・カンザスシティ連銀総裁、NYで講演
09:00 (NZ) 3月 NBNZ企業信頼感 (2月 -30.9)
19:00 (欧) 3月 経済信頼感 (2月 106.1、予想 105.9)
19:00 (欧) 3月 消費者信頼感・確定値 (速報 −7.2、予想 -7.2)

20:15 (米) クオールズFRB副議長、ECB会議で講演
21:30 (米) 10-12月期 GDP、確定値 前期比年率 (速報 2.6%、予想 2.4%)
21:30 (米) 10-12月期 GDP個人消費・確定値 前期比 (速報 2.8%、予想 2.6%)
21:30 (米) 10-12月期 四半期コアPCE・確定値 前期比 (速報 1.7%、予想 1.7%)
21:30 (米) 週間新規失業保険申請件数 (前週 22.1万件、予想 22.5万件)
22:00 (独) 3月 消費者物価指数 速報値 前月比 (2月 0.4%、予想 0.6%)
22:00 (独) 3月 消費者物価指数 速報値 前年同月比 (2月 1.5%、予想 1.5%)
22:30 (米) クラリダFRB副議長、パリで講演
23:00 (米) 2月 住宅販売保留指数 前月比 (1月 4.6%、予想 0.0%)
23:00 (米) 2月 住宅販売保留指数 前年同月比 (1月 -3.2%)
23:00 (米) ボウマンFRB理事、講演
24:00 (米) 米カンザスシティ連銀3月製造業活動指数
24:30 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、討論会参加
26:15 (米) ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(FOMC投票権有)討論会参加

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る