<< 東京市場の動き >>
週明け25日の東京市場も、引き続きレンジ取引。先週からの110円台後半の揉み合いが続く展開で、方向性はいまだ乏しい状況だ。
週末に、注目の米中閣僚級貿易協議において、「輸入拡大・為替が大筋合意」と報じられたものの、それほど目立った影響は見られず。ドル/円は、110.60-65円と前週末のNYクローズと大差ないレベルで寄り付いている。
その後も、関連報道が幾つか観測されたほか、ゴトー日仲値不足観測なども取り沙汰されたが、具体的な市場へのインパクトとなるといまひとつ。ドル/円は110.55-85円、30ポイント程度の変動にとどまるなど、本日も方向性を見出すことは出来なかった。16時時点では110.60-65円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易問題」と「英国情勢」について。
前者は、先で指摘した米中閣僚級貿易協議において、「輸入拡大・為替が大筋合意」と報じられるなか、「知的財産権」の難航などもあり協議そのものは2日間延長され、24日まで実施されることに。そうしたなか、新華社通信が「中国、貿易協議でかなりの進展」と報じたほか、トランプ米大統領により「対中関税引き上げ保留」の意向が示されていた。
対して後者は、先週末を含め、依然として様相は混沌としたまま。英メディア「メイ首相、来月12日までにEU離脱案を採決」、ブルームバーグ「英首相、3ヵ月以内に辞任圧力に直面へ」といった報道に続き、英紙テレグラフは「メイ首相がEU離脱日を最長で2ヵ月延期する案を検討」と報じていた。
<< 欧米市場の見通し >>
先週は、結局1週間を通して50ポイント強の変動しかない凪相場だったが、本日東京時間の変動も30ポイントほどと、先週来の流れを踏襲した格好となった。いまだ方向性は乏しい。ただ、材料的には週内のどこかでレンジ放れを試す展開が予想されており、リスク管理だけはしっかりとしておきたいところだ。1週間以上にわたるレンジ取引で、エネルギーが蓄積されていることからすると、保ち合い放れの際の変動は激しいものとなる可能性もある。
材料的には、「満額回答」とはならなかったが、それでも注目されていた「米中貿易協議」で米国は一定以上の成果を挙げたと言ってよい。全米商工会議所が声明を出していたように、あとは「持続可能な履行を確実にし、中国の事業慣行をめぐる中核的な米側の懸念に応えることが重要」ということになりそうだ。また、米中協議が一服するなか、すでに「米朝首脳の再会談」や「パウエルFRB議長の議会証言」などに注目が移行し始めている。
テクニカルに見た場合、再三再四指摘しているように先週来、ドル/円相場は50ポイント強しか動いていないが、期間をさらに1週間ほど延ばしても、そのレンジは110.25-111.15円といったところ。つまり、すでに半月程度も1円未満の膠着相場をたどっているわけだ。
もちろん、そんな小動きがいましばらく続く可能性も否定出来ないが、記録的な低水準となっているマーケット・ボラティリティなどを勘案すると、むしろ今後の急変動に注意を要するべきなのかもしれない。ヒョッとすると、嵐の前の静けさの可能性も!?
一方、材料的に見た場合、1月のシカゴ連銀全米活動指数や2月のダラス連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債や5年債の入札も実施される見込みだ。また、クラリダFRB副議長の講演も行われる予定とされ、それらも一応要注意。
そのほか、27日からの「米朝首脳会談」を前に、北朝鮮の金委員長は本日にもベトナム入りする公算が大きいようだ。事実ならば、ベトナム要人との会談などが行われる可能性もあり、場合によっては相場の波乱要因に。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.20-111.10円。ドル高・円安方向は、先週高値である110.95円が最初の抵抗。超えれば、年初来高値の111.13円、あるいは111.30円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末にも記録したドル安値110.55円レベルをめぐる攻防にまずは注視。ただ、下回っても15日安値の110.25円など110円台前半にサポート多く、底堅いイメージに変わりはない。
ドル円時間足
オーダー/ポジション状況
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