ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、米中間の貿易摩擦後退思惑もあり、一度は大台トライと見て「7.80レベルをサポートに、8.10レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.81レベル、高値が8.08レベルとほぼ予想に沿った動きとなりました。
先週のランド円は、週前半はランド売り、後半はランド買いとなりましたが、前半のランド売りは21日に発表された中国GDPが28年ぶりの低成長となったことを受け、南アフリカにとって輸出入とも最大の貿易国である中国の景気減速を懸念してのランド売りからスタートしました。ドル円の動きが鈍い中でランド円は前週末の終値7.93レベルから22日のNY市場で7.81レベルへと水準を切り下げました。
週半ば以降は、まずCPIの数字が予想通りとはいえ、落ち着いた数字となったことから南アのインフレ懸念が収まりつつあること、また南アの最大の問題と言われる電力会社エスコムの分割案の話を大統領に提案したというニュースもランド高に貢献したようです。またこうした材料だけでなく、テクニカルにもドルランドが金曜に前週安値を下抜けした動きもランド買いを後押ししたと言えるでしょう。
今週は南アフリカ関連ではPPIと貿易収支が、また連動しやすい中国関係では製造業PMIが予定されているため、これらの数字には念の為注意したいところです。また米国ではFOMCがあり、米国の金融政策に関してハト派な内容が出てくると新興国通貨にとっては好材料となります。円要因もありますが、110円の大台で何度も反落していることを考えると、やや円高方向にバイアスがかかりやすい可能性があるというところでしょうか。
また、ひとつ気にしておいても良いかなと思うのが金価格です。資源国通貨であり金の産出国としても上位(といっても現在は第7位、圧倒的な1位は中国)にいる南アフリカにとっては好材料となる可能性があります。金価格は先週末にしっかりと1300ドル台に乗せてきていて、ここ2カ月ほどのドル建て金価格とドルランドの相関は比較的高いと言えます。
4時間足チャートでドルランドと金価格を比較すると以下のようになっています。
上段がドルランド、下段がドル建て金(1300ドルにピンクの水平線)です。上段にはドルの方向を揃えてスケールをフィットさせたラインをピンクで表示しました。当然違う動きのところもありますが、大きな流れとしては比較的に通っていますし、直近の金価格上昇が今後のドル売り・ランド買いに繋がる可能性もあるため、見ておきたいところです。
そして、いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
ランド円のサポートラインを引き直し、それに合わせて平行チャンネルも引き直しましたが、依然として緩やかな上昇トレンドを続けていて、8円の大台は先週こそいったんレジスタンスとなったものの、決して強いレジスタンスとは言えないことも事実です。引き続き12月高値8.36と1月3日安値7.22との78.6%(61.8%の平方根)戻しとなる8.11をターゲットとする流れにあると言ってよいでしょう。
今週もテクニカルな面が中心ではありますが、7.90レベルをサポートに、8.10レベルをレジスタンスと8.00円の大台を挟んで推移する週を見ておきたいと思います。
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