ランド円ショートコメント
本年もよろしくお願いいたします。
年末年始の振り返りですが、下降チャンネルの中での推移を継続する前提で「7.35レベルをサポートに、7.80レベルをレジスタンス」を考えました。実際のレンジは、安値が7.22レベル、高値が7.80レベルと年初の円急騰劇にも関わらず、ほぼ下降チャンネルの中での動きとなり、逆に先週末には前週の高値を上回るという思った以上の強い値動きを示した年末年始となりました。
昨年末から年始までは7.49〜7.69レベルとほとんど動意の無い展開、その後年始には円急騰に巻き込まれて一時的に7.22まで下押ししましたが、その後の買い戻しでは7.80レベルを見るなどかなり強い地合いとなりました。
これは南アフリカ要因ではなく、安値から買い戻されているところに4日に中国人民銀行による預金準備率引き下げの発表が重なったことによるものです。人民銀行は1月15日と25日に0.5%ずつ、合わせて1.0%の準備率を引き下げることで流動性を8000億元増やし、金利の安定もはかるとの声明を出しました。
中国は南アフリカにとって輸出入ともに第1位の貿易相手国であることから、中国の景気回復期待が南アフリカにとって好材料という連想でランド買いとなったものです。さらにテクニカルにもこれまでの下降チャンネルを上抜く動きが重なり、買いの動きが強まったと言えるでしょう。
いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
こうして見ると、12月初めから1か月続いた下降チャンネルを上抜けていることがよくわかると同時に、12月高値8.35と先週安値7.22との半値戻しとなる7.79も既に到達していることがわかります。
ドル円が長期的に円高懸念があることはドル円週報に書いた通りですが、目先はドル円も急落は無さそうですし、今後中国での流動性が実際に高まることで中国の景気減速に効果が見えるであろう思惑が先行しやすいことを考えると、61.8%戻しの7.92レベルも視野に入ってくると考えられます。ただ、8.0円の大台は心理的なレジスタンスであることは変わりません。
いっぽう下値ですが、こちらは下降チャンネルを抜けた水準である7.60レベルが考えられます。全体として、押し目買いが出やすく7.65レベルをサポートに7.95レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
本年もよろしくお願いいたします。
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