ドル円は基本レンジか、欧州通貨に要注意(12/13夕)

13日の東京市場は、ドルが小高い。値幅は30ポイント程度だったが、大引け高の様相で見た目以上にドルは強い印象だった。

ドル円は基本レンジか、欧州通貨に要注意(12/13夕)

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13日の東京市場は、ドルが小高い。値幅は30ポイント程度だったが、大引け高の様相で見た目以上にドルは強い印象だった。

ドル/円相場は、113.20-25円で寄り付いたのち、早めの時間帯に日中のドル安値を記録。その後は緩やかな右肩上がりとなり、前日のNYに記録した直近の戻り高値113円半ばに面合わせしている。終値ベースで日経平均株価が213円の大幅高となったことも、円売りに寄与していたようだ。
結局、昨日高値は超えられなかったものの、16時時点ではドルの高値圏である113.40-45円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、前日NYの最終盤、対円で1円近い上下動をたどるなど、かなり荒っぽい変動をたどったポンドは、小じっかり。早朝を日中安値におおむねじり高推移となっている。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米中貿易戦争懸念」について。
前者は、12日に実施された信任投票で「英与党はメイ党首を信任、続投決定」となったことがNYの引け近くになって報じられ、前述したような相場の波乱要因となっていた。なお、取り敢えずひとつのヤマ場を超えたことで、東京時間には強含みに推移したポンドだが、不信任票が3分の1に達していたため、先行きを懸念する声も少なくない。
対して後者は、米紙WSJが「米中通商協議、中国は譲歩の姿勢」と報じたことに続き、米協会が「中国は150-200万トンの米国産大豆購入」との見解を示したことで、今後の協議の進捗期待がやや高まっていたもようだ。

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マーケットは典型的なクリスマス相場の様相で、動意は日に日に乏しくなっている。実際、今週も週初の10日こそ、やや活発な動意が見られたものの、以降は鳴かず飛ばず。11日以降のレンジはおおむね113.00-50円といったわずか50ポイントレンジだ。さすがに50ポイントのレンジは狭すぎる気もするが、いましばらくは113円台を中心としたレンジ取引の続く可能性を否定できないだろう。
材料的には、米中をメインに、日米や日欧についても貿易問題がジワリとクローズアップされ始めており、マーケットの潜在的なリスク要因に。また、いわゆる「ファーウェイのCFO逮捕」問題についても、昨日保釈が決定。足もとは小康となっているものの、カナダ外務省がすでに中国当局に拘束されている元外交官とは別の人物、「カナダ人男性が中国当局との接触後に連絡が取れなくなった」と明らかにするなど、米中間の争いにカナダが巻きこまれた格好で、まだまだ火種はくすぶっている感もある。続報などには注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、過去1ヵ月以上にわたり112.23-114.23円という2円レンジを形成しているだけでなく、前述したようにここ数日だけをとれば、大きな値動きらしいものがうかがえない状況となっている。いましばらくは113円台、それも前半を中心とした一進一退が予想されるが、仮に放れた際には112.23円あるいは114.23円という、前回の安値or高値がターゲットとなりそう。まずは、どちらの方向にどういったタイミングで抜けていくのか、その方向性が注視されている。

一方、材料的に見た場合、11月の輸出/輸入物価指数などの米経済指標が発表されるほか、米財務省による30年債入札が実施される見込みだ。それら要因には当然要注意。
しかし、本日は米国よりも欧州情勢にむしろ注意が必要かも知れない。材料的にも、ECBの政策金利発表とドラギECB総裁の会見に続き、14日までの日程でEU首脳会談も実施される予定となっている。それらのなかで、イタリア予算案について前向きな動きがあるのかを注視している向きが市場では少なくないようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.10-113.90円。ドル高・円安方向は、本日を含めて直近だけで2度上げ止まった113円半ばが最初の抵抗に。抜けた場合には、11月高値114.23円を起点とした下げ幅のフィボナッチ76.4%戻しに当たる113.75-80円や、114円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日のNY安値である113.10-15円の攻防にまずは注視。ただ、割り込んでも113前後がなかなか強いサポートで、大崩れする展開は見込みにくいだろう。

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